勝投手を決めるときのルール②プロ野球編
勝投手の決め方について、もうひとつ。途中で勝ち越したのではなく、勝っている試合で、先発投手が5回まで投げずにマウンドを降りた場合はどうなるでしょうか?この場合、リリーフした中で勝利をもたらすのにもっとも効果的な投球を行ったと、公式記録員が判断した投手が勝投手となります。他の投手よりも1イニング以上多く投げていれば、その投手を勝投手としますが、投球回の差が1イニング未満であれば、公式記録員が勝投手を選ぶことになります。
【ケース①】 先発のAが4回で交代
2番手のBが5〜7回を投げた
3番手のCが8~9回を投げた
【ケース②】 先発のAが4回で交代
2番手のBが2回2/3を投げた
3番手のCが2回1/3を投げた
どちらも長く投げたのはBですが、4失点しています。Cは取ったアウトの数は少ないですが、無失点です。ケース①の場合は、Bが1イニング以上多く投げているので、勝投手はBになります。ケース②ではBの方が1/3多く投げていますが、失点していないCの方が効果的と言えそうですね。ただし、Cがセーブの記録される場面で登板していれば、失点に関わらずBが勝投手で、Cにセーブが記録されます。
【書誌情報】
『少年野球 スコアのつけ方』
監修: 一般社団法人 日本野球機構(NPB)
“我が子が少年野球を始めた親御さん”にターゲットを絞った1冊。試合時にスコアブックを付ける役割が、選手のお母さんに依頼するチームが多いことから、スコアの付け方をゼロから解説します。モデルは全て小学生を使い、全て小学生野球のルールでの内容構成です。少年野球のスコア記載はプロ野球よりも様々なことが起こり、スコアを書く側からすると何倍も難しいもの。小学生で起こりがちなスコア記入例&プレーを、野球初心者のお母さんたちの声を拾って重点的に解説します。また、監修には日本野球機構(NPB)の現役公式記録員についていただき完璧な最高峰のスコアの付け方を伝授します。
公開日:2020.05.26