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球筋を決める「フェースアングル」とクラブパスの関係とは!?【ゴルフは科学で上手くなる!/石井忍】

Text:石井忍

フェースアングルは2つある

「フェースアングル」とは、その名のとおりフェースの向きで、大きく分けて2つあります。

ひとつは、「FTT」(Face to Target/フェース・トゥ・ターゲット」というターゲットに対してのフェースアングルがあります。これはみなさんが普段意識しているフェースの向きといえます。

もうひとつが、「FTP」(Face to Pass/フェース・トゥ・パス)。クラブパスに対してのフェースアングルで、クラブパスとの直接的な関係性であり、球筋をコントロールする上で重要なカギを握っています。

ボールをコントロールするためにはクラブパスとフェースアングルのマッチングがとても大事ですが、ほとんどのアベレージゴルファーはフェースアングルに無頓着です。

プロやシングルゴルファーたちは「フェースを管理する」ことの重要性を十分に理解して、自分の打ちたい球筋のイメージに合わせてクラブパスとフェースアングルのマッチングを考えているのです。

 

クラブパスに対するフェースの向きに着目しよう

フェースアングルには「スクエア」「オープン」「クローズ」の3つがあります。ここではフェースアングルの数値は置いておいて、システムのみ説明します。

フェースがターゲットに対してスクエアで、クラブパスも真っすぐであれば、ボールはターゲットに真っすぐ飛んで行きます。でもフェースがスクエアでもクラブパスが右を向いていれば、ターゲットに向かって真っすぐ飛び出し、途中から左に曲がるフックとなります。逆にクラブパスが左を向いていたら、ボールは真っすぐ飛び出してから途中で右に曲がるスライスが生じます。

次にオープンフェースを考えてみましょう。そのオープンフェースにクラブパスの向きが合っていればターゲットの右へと真っすぐ飛んでいくプッシュとなります。それよりもさらにフェースが右を向いてしまったら、右に出てさらに右に曲がるプッシ
ュスライスが発生します。

しかし、フェースアングルに対してクラブパスが右を向けば、ボールが右に出て途中から左へと戻ってくるフックとなるのです。クローズフェースの場合もフェースアングルとクラブパスの向きが一致したらターゲットの左へと真っすぐ飛んでいくプル(ヒッカケ)となり、フェースがそれよりも左を向くと左に飛び出してさらに左に曲がるプルフックが生じます。

その点フェースアングルに対してクラブパスが左を向けば、ボールは左に出て途中から右に戻ってくるスライスとなります。フェースアングルとクラブパスの関係でボールがこのように曲がるメカニズムを理解しておきましょう。 

 

【書誌情報】
『ゴルフは科学で上手くなる! 科学が明かすスイングの原則と上達法』
著者:/石井忍

時代の流れとともにクラブやボールなどの道具が進化してきたが、それに合わせるようにゴルフスイングの研究や分析も進んできた。本書の著者は、スイングをメカニズムの視点で考える「物理的運動」として理解し、それに「スポーツ的運動」の要素を加えることが大事と考えている。スイングを物理的視点から考えると多くの発見があり、スイングの本質に近づいてく。この本はスイングを型にはめて解説するだけのレッスン書ではなく、スイングを科学的に学びたい人に向けた教科書である。その上で正しい体のアクションを覚えれば、上達のキッカケづくりに必ず役立つ格好の一冊といえる。