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スイングのメカニズムを「立体的に」考える利点とは!?【ゴルフは科学で上手くなる!/石井忍】

Text:石井忍

スイングの良し悪しを理解するポイント 

Vプレーンの傾きにアタックアングルの影響でクラブパスが確定し、それに対してHプレーンの向きとフェースアングルが絡み合い、様々な球筋を生み出しています。

このようにスイングのメカニズムを立体的に、物理的に考える癖をつけると、クラブパスとアタックアングル、フェースアングルなどの要素がわかり、悪い理由と良い理由が明確に理解できるようになるのです。つまり、悪い状態に滞在する時間を短くする可能性を高めるということにもなります。

前にも書きましたが、Vプレーンの角度によって同じアタックアングルでも、クラブパスに対する影響度が変わってきます。下の図は、Vプレーンの傾き角度を60度と45度で示したものです。60度は7番アイアンの角度で、45度はドライバーの角度をイメージしています。

 

Vプレーンの角度とクラブパスの関係性

60度のVプレーンを例にあげましょう。ダウンブローがマイナス5度の角度でインパクトした場合、Hプレーンを2・5度左に向けるとクラブパスがゼロとなります。

そして45度のVプレーンの場合は、クラブパスをゼロにするためにはアタックアングルとHプレーンを同等にしなくてはいけません。

つまりアタックアングルがプラス3度のアッパーブローなら、Hプレーンも3度だけ右に向け、ドローが打てる「右パス」にするには、Hプレーンをさらに右に向ける必要があります。

ドライバーでドローを打つのがいかに難しいかが、この関係性を理解すると納得して頂けることと思います。

これはゴルフスイングにはあり得ないことですが、もしVプレーンを90度にした場合、アタックアングルがダウンブローだろうが、アッパーブローだろうが、クラブパスは必ずゼロになります。

このようにVプレーンの角度の変化によって、アタックアングルのクラブパスに対する影響度が大きく変わるのです。

以前述べましたように、Vプレーンの角度が大きければボールの曲がり幅を小さく抑えられます。その理由としては、アタックアングルにおけるクラブパスへの影響度が少なくて済み、曲がり幅を抑えることができるということを再確認してください。

【書誌情報】
『ゴルフは科学で上手くなる! 科学が明かすスイングの原則と上達法』
著者:/石井忍

時代の流れとともにクラブやボールなどの道具が進化してきたが、それに合わせるようにゴルフスイングの研究や分析も進んできた。本書の著者は、スイングをメカニズムの視点で考える「物理的運動」として理解し、それに「スポーツ的運動」の要素を加えることが大事と考えている。スイングを物理的視点から考えると多くの発見があり、スイングの本質に近づいてく。この本はスイングを型にはめて解説するだけのレッスン書ではなく、スイングを科学的に学びたい人に向けた教科書である。その上で正しい体のアクションを覚えれば、上達のキッカケづくりに必ず役立つ格好の一冊といえる。

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