昼食をとらなくても眠気を感じることがある
昼食後、しばらくすると体がだるくなって、眠くなるこの眠気は、アフタヌーンディップ(ポストランチディップ)と呼ばれます。
満腹になると消化器官への血流量が増え、脳への血流量は減るので、脳の働きが低下し、眠くなるという説を聞きます。しかし、脳への血流は常に最優先で確保されるため、この説は正しくありません。満腹感から気だるくなることはありますが、昼食をとらない日も眠気は襲ってきます。
つまり、午後の眠気は食事の影響ではなく、体内時計(生体リズム)の影響と考えるほうが自然です。体内時計のひとつである概日リズム(サーカディアンリズム)では、日中の活動時間のちょうど中央あたりの14〜16時に眠気が強くなると示されています。そもそもの体内時計のしくみとして、昼間に眠くなるのです。
では、アフタヌーンディップはどう撃退すればいいのでしょう。もっとも効果的な方法は、毎日の睡眠時間を少しでも増やすことです。
対症療法としては、ランチをよく噛んで食べたり、ガムを噛んだりすることです。噛むことには脳を覚醒させる働きがあり有効です。
コーヒーなど、カフェイン入りの飲みものをとるのもいいでしょう。対症療法が効かないほどの強烈な眠気には、仮眠もおすすめです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』
監修:西野精治
ぐっすり、すっきりを同時に手に入れる。明日、人生最高の朝になる──。最先端の睡眠法で常識が変わる。今晩からできる睡眠革命! なかなか寝つけない、眠っても疲れがとれない、眠りが浅くて寝たりない──。多くの人が気になる睡眠のお悩み。スタンフォードに学ぶ最新の研究をもとに睡眠の科学的メカ二ズムを解明しました。つい人に話したくなる睡眠の新常識から、スムースな入眠のためのメソッド、睡眠習慣のつくり方まで、極上の眠りを手に入れる方法を、図解データとともにズバリ解説します。
公開日:2021.06.10