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私たちがパニックになるのはどういうとき?【社会心理学】

Text:亀田達也

特定の条件下だとパニックが起きやすい

群集は大きな事故や災害などの緊急事態に直面すると、理性を失いパニックを起こしてしまうと思いがちです。しかし、これまでに起こった災害や事故をみると、必ずしも群集がパニックを起こすわけではないことがわかっています。

では、どのような状況だとパニックが引き起こされやすいのでしょうか。これは生命や財産に対して切迫した危機が迫っている状況で、危機からの脱出ルートが限られている、あるいは閉ざされようとしている場合にパニックが起こりやすいと考えられています。

こうしたパニックの心理については、次のような実験があります。これから短時間のうちに。複数の被験者が部屋から脱出しなければなりませんが、部屋には出口がひとつしかなく、ひとりずつしか通れません。被験者の手元には「脱出」「譲歩」と書かれたふたつのボタンがあり、脱出のために次のようなルールが設定されます。

・脱出ボタンを100回押せば、その人は脱出できる。

・ただし、他の人も同時に脱出ボタンを押していた場合はカウントされない。

・このとき譲歩ボタンを押せば相手がカウントされる。

この条件に加え、さらに「脱出に失敗した場合、強い電気ショックが流れる」という恐怖条件も付けます。こうしてパニックが起こりやすい状況を意図的につくりだすと、互いが脱出ボタンを押し合い、全員が脱出に失敗してしまうことになり、パニックが起きやすいことが証明される結果となりました。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

「社会心理学」は、心理学の中でも重要かつ人気のジャンル。個人同士の協力、競争、攻撃、援助など「他者との関係」、そして集団、組織など個人を取り巻く「社会との関係」をテーマとする「社会心理学」を、わかりやすく、かつ堅苦しくならないように図解・イラストを用いて紹介する。「社会現象と心理学」、「職場における心理学」「社会の在り方と心理学」など、現代日本において興味深く読めるような身近なテーマを立てて、さらにこれまで行われた心理実験と結果など、「心理学」全般の内容を誌面に取り入れて解説する。会社、学校、家庭、友人ーー集団や社会の中の個や対人関係の本質、行動原理を社会心理学から読み解く1冊!

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