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集団において間違った判断が多いのには理由がある!【社会心理学】

Text:亀田達也

他の人の影響により集団規範がつくられる

集団の中で共有されている価値判断や行動判断の規準のことを「集団規範」と呼びます。集団において、そのグループ独自のルールや慣習、価値観があることはめずらしくありませんが、このような集団規範はどのようにしてつくられるのでしょうか?

シェリフは集団の中で規範がつくられていく過程について、次のような実験によって検証しました。

まず2〜3人の被験者を暗室に入れ、暗闇の中で点状の光を見せます。次に被験者に、暗闇の光が何インチ動いたかを順番に回答してもらいます。すると、個人で回答したときはバラバラな数値だったのが、2〜3人で一緒に実験を受けたときは、回数を重ねるごとに全員の答えが次第に近づいていく結果となりました。

実は光はまったく動いておらず、動いたように見えるのはただの錯覚なのですが、複数で行う場合は、他人の答えた数値を参考にするため、だんだんと数値が近づいていきます。つまり、他人の行為に影響されて、本来はバラバラなはずの個人の考えが統一されていったわけです。

こうした集団規範は、所属メンバーの価値観に左右されます。たとえば、「社会人は身だしなみが大切」と考える人の多い集団は、服装や髪形に対して強い集団規範ができやすく、同じ集団のメンバーに対してもその規範に従わせようとする力が働きます。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

「社会心理学」は、心理学の中でも重要かつ人気のジャンル。個人同士の協力、競争、攻撃、援助など「他者との関係」、そして集団、組織など個人を取り巻く「社会との関係」をテーマとする「社会心理学」を、わかりやすく、かつ堅苦しくならないように図解・イラストを用いて紹介する。「社会現象と心理学」、「職場における心理学」「社会の在り方と心理学」など、現代日本において興味深く読めるような身近なテーマを立てて、さらにこれまで行われた心理実験と結果など、「心理学」全般の内容を誌面に取り入れて解説する。会社、学校、家庭、友人ーー集団や社会の中の個や対人関係の本質、行動原理を社会心理学から読み解く1冊!

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