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どんな善良な人でも犯罪行為を犯す危険性がある怖い理由とは?【社会心理学】

Text:亀田達也

服従を起こさせる5つの社会的勢力

私たちはグループでなにかを決めるとき、本心では違うことを思っているのに、周囲に合わせて同調してしまうことがあります。こうした上辺だけの同調のことを「外面的同調」といいます。

たとえば、これからみんなでカラオケに行こうと盛り上がっているときに、本当は家に帰りたいにも関わらず、「ここで断ったら場をシラけさせる」とか「メンバーから付き合いの悪いやつだと思われたくない」と考え、一緒にカラオケに行くというのが外面的同調に当たります。これとは逆に、周囲の意見が正しいと判断して同調することを「内面的同調」といいます。

また、外面的同調は服従行動においても機能します。たとえば、企業による組織ぐるみの不正などは、服従によって起きる事件といえるでしょう。本心では正しくないと思っていても、「会社のためである」とか「自分の立場を悪くしたくない」という心理から、命じられるまま不正に加担してしまうわけです。

アイヒマン実験を行ったミルグラムは、服従を起こさせることのできる力を「社会的勢力」と呼び、こうした社会的勢力について、報酬を与えることで服従を促す「報酬勢力」、上司や先輩など目上の立場であることを利用する「正当勢力」、相手の好意や敬意を利用する「参照勢力」、その分野の専門家であることで服従を起こさせやすくする「専門勢力」、相手に罰を与える権利を持つ「強制勢力」の5つに分類しました。

普段は善良で責任感のある人でも、こうした社会的勢力の下に組み込まれると、それが間違っているとわかっていても服従してしまうのです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

「社会心理学」は、心理学の中でも重要かつ人気のジャンル。個人同士の協力、競争、攻撃、援助など「他者との関係」、そして集団、組織など個人を取り巻く「社会との関係」をテーマとする「社会心理学」を、わかりやすく、かつ堅苦しくならないように図解・イラストを用いて紹介する。「社会現象と心理学」、「職場における心理学」「社会の在り方と心理学」など、現代日本において興味深く読めるような身近なテーマを立てて、さらにこれまで行われた心理実験と結果など、「心理学」全般の内容を誌面に取り入れて解説する。会社、学校、家庭、友人ーー集団や社会の中の個や対人関係の本質、行動原理を社会心理学から読み解く1冊!