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他者の存在で自分自身が頑張れたり効率が上がるのはどうして?【社会心理学】

Text:亀田達也

個人の習熟度によって作業効率が変化する

周囲に自分以外の人がいることで、やる気が出て作業効率が高まるというケースがあります。他者の存在によって作業量が変化するという現象に着目したトリプレットは、糸巻き実験を行いました。

この実験は、釣り糸を巻くリールを改造し、糸巻き機を作成、それを使って一定の長さの糸を巻く作業を行う場合、ひとりで巻くのとふたりで巻くのとでは作業スピードがどれだけ変化するのかを比較しました。

結果は、ひとりで巻くよりもふたりで巻いたほうがスピードが速くなることが判明。F.H.オルポートは、こうした現象を「社会的促進」と名付けました。

しかし、必ずしも他者の存在が良い結果を生むとは限りません。例えば、会社でプレゼンを行う際、他者がいることで緊張してしまい、うまくプレゼンができなかったなんてことはありませんか? このように他者の存在によって作業量が低下する現象を「社会的抑制」と呼びます。なぜ、社会的促進と社会的抑制が起きるのでしょうか? ザイアンスらは、それらを分ける鍵は、個人の習熟度にあると考えました。

物事に対して慣れているかどうかで社会的促進と社会的抑制のいずれかが起きるというわけです。先ほどのプレゼンを例に考えると、プレゼンに慣れているAさんは、他者を目の前にしても緊張せずに自分の企画を提案できますが、プレゼンに慣れていないBさんは、他者の存在が気になって緊張してしまい、自分の企画をうまく提案できません。

Bさんのような社会的抑制を避け、促進効果を得るためには、その物事に対して経験を積むか知識を高めることが必要となるわけです。

トリブレットの糸巻き実験【図解 社会心理学】

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多数派の意見に同調してしまうのはどうして?

日本人はよく多数派に同調しやすい、そんなイメージがあるかもしれません。しかし、この傾向はどんな人にも当て余る普遍性を持ったものなのです。なぜ私たちは多数派の意見に同調しやすいのでしょうか?この同調について、有名な実験があります。

この実験はカード①に描かれた線と同じ長さのものを、カード②に描かれた3本の線の中から選ぶというもので、実験には8人の学生が参加しました。回答はひとりずつ順番に行いますが、実は参加者のうち7人は〝サクラ〞で、あらかじめどの線を答えるかを指定されていました。

明らかに間違った答えでも多数派に同調してしまう

この実験の目的は、多数が間違った回答をした場合、被験者はそれに同調するかを調べることで、被験者は7人のサクラの回答を聞いたあと、8番目に回答します。実験は線の長さを変えながら複数回行われましたが、問題自体はいずれもひとりで回答したときは正解率99%というごく簡単なものでした

ところが、7人全員が誤った回答をした条件下だと、被験者による誤答率は32%にも上りました。普通なら間違えようのない問題でも、全員が別の回答を選ぶと、それに大きく影響されてしまうことが明らかとなったわけです。なお、7人のサクラのうち、必ず正解を答える他者がひとりいた場合、被験者の誤答率は5・5%まで低下しました。

会社の会議などでも全員一致の意見に反対するのは勇気がいりますが、ひとりでも反対者がいれば意見を表明しやすくなります。同調を促うながすには全員一致であることが重要で、ひとりでも自分と同じ意見の人がいると、その圧力は大きく弱まるというわけです。

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

「社会心理学」は、心理学の中でも重要かつ人気のジャンル。個人同士の協力、競争、攻撃、援助など「他者との関係」、そして集団、組織など個人を取り巻く「社会との関係」をテーマとする「社会心理学」を、わかりやすく、かつ堅苦しくならないように図解・イラストを用いて紹介する。「社会現象と心理学」、「職場における心理学」「社会の在り方と心理学」など、現代日本において興味深く読めるような身近なテーマを立てて、さらにこれまで行われた心理実験と結果など、「心理学」全般の内容を誌面に取り入れて解説する。会社、学校、家庭、友人ーー集団や社会の中の個や対人関係の本質、行動原理を社会心理学から読み解く1冊!

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