なぜ最終ホールで自滅するのか?ゴルフ史上最大の悲劇に学ぶ『プレー速度』とスコアの関係【タケ小山のゴルフ超上達ノート】

最終ホールの悲劇はなぜ起こる?

みなさんは「カーヌスティの悲劇」をご存知でしょうか?ゴルフ史上最大の悲劇と呼ばれるその事件は、カーヌスティ・ゴルフリンクスで行われた1999年の全英オープン最終日に起こりました。最終ホールを3打差の首位で迎えたのはフランス人のジャン・バンデベルデ。バンデベルデは18番ホールのパー4をダブルボギーで上がれば優勝でしたが、なんと土壇場でトリプルボギーを叩き、追っていた地元出身のポール・ローリー、ジャスティン・レナードに並ばれ、プレーオフでローリーに優勝をさらわれてしまったのです。このように、ゴルフでは最終ホールで事件が起こりやすいんです。

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バンデベルデほどではないにせよ、最終ホールで叩いてしまい悔しい思いをしたことは誰もがありますよね?ここではなぜ最終ホールで悲劇が起こるのかを考えてみようと思います。バンデベルデの場合は勇気を失ってしまいましたよね。3打目がバリーバーンという小川につかまり、彼はそこから打とうとしましたが、あれがまずいけないと思います。あれは勇気ではなく、冷静さを失っていただけ。そして決定的だったのはプレーのスピードが変わってしまったことです。みなさんにも経験があると思いますが、それまでいい流れでプレーしてきても、スコアを意識すると途端にプレーが丁寧になってしまうものなんですよ。最終ホールをパーで上がれば30台なんていう状況になると、誰もが丁寧にやろうとします。ところがこの丁寧というのが曲者で、自分のゴルフができなくなってしまう 場合が多いんです。丁寧でいいじゃない、と思うかもしれませんが、そうじゃないんです。

丁寧になるとプレーが遅くなるんです。それまではスムーズにプレーできていたからショットが好調だったのに、プレーイングスピードを遅くしてしまうと、それまでのようなショットが打てなくなるものなんですよ。打ち急ぎはダメだといいますけれど、こういう場合はむしろ打ち急いだほうがいいんです。そういう私も昔はよく事件を起こしていました。1989年にアメリカに行っ
て、ミニツアーを戦うようになったんですが、最初の年は負けです。4000ドル使って、稼いだのはたった40ドル。2年目は9000ドル使って8500ドル稼いだのでほぼチャラ。そして3年目、1万ドル使って、プラス1500ドルの黒字になりました。徐々に稼げるようにはなってきたのですが、勝てるようにはならなかったんです。2位は何度もありましたが、やはり事件を起こしていたんですね。その後ゴルフチャンネルに入って解説をやり始めたんですが、解説をやったら自分が勝てなかった理由がわかったんです。

私はアメリカの国内の下部ツアー担当だったんですが、下手な選手が最終日の土壇場で勝利目前で崩れるのを何度も 見たわけです。彼らがどうなってしまうかというと、完全にプレーイングスピードが遅くなるんですね。ティショットをラフに入れるとするでしょ。そうするとそこからなかなか打たないわけです。考えて考えて、それから打ってミスをする。こういうのを見ているうちに「丁寧にいこう」という気持がプレーを遅くし、自滅を招いていることに気付きました。丁寧にやろうとすると、いろんなシチュエーションが見えてきてしまうんですよ。それまではフェアウェイのセンターしか見えていなかったのに、右のOBが気になったり、左の池が視界に入ってくるんです。そうするとゴルフは難しくなってしまうんですね。余計なインフォメーションが動きを硬くしてしまうんです。プロでさえこうなのですから、アマチュアはなおさらですよ。それも最終ホールではなく、7番ホールあたりでプレッシャーがやってきます。

7番ホールぐら いで「今日30台が出ちゃうかもしれない」っていう状況になると、途端に丁寧になってしまい、上がってみれば43なんてことになります。そういう残念な人のスコアカードを見て「何で7番でダボ打っちゃったの?」って聞くと「いや、大事 に行こうとしたら曲げちゃったんです」とか答えるけれども、プレーイングスピードが遅くなったことには気付いていないんですね。だからこの本を読んでいる賢明なみなさんは、いかなる状況でもプレーイングスピードを変えないようにしましょう。思いがけず上手くプレーできるときはた まにあります。そんなとき「丁寧にやろう」などと思わず、できるだけそこまでと同じリズムでプレーしてみてください。そうすればきっとスコアの壁を越えられるでしょう。

【出典】『タケ小山のゴルフ超上達ノート 誰も言わない実戦的スコアアップ術』著者:タケ小山

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【書誌情報】
『タケ小山のゴルフ超上達ノート 誰も言わない実戦的スコアアップ術』
著者:タケ小山

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