腸をもんで自律神経を整える
●腰よりもむべきは『腸』
自律神経と密接な関係があるのは脳ですが、それと同じぐらい腸も重要な器官ということがわかっていただけたのではないでしょうか。実は、交感神経が優位になり過ぎて自律神経のバランスが崩れた時、腸の動きを良くすることで副交感神経を高めることが可能です。しかも、腸はお腹をもむだけで簡単に活性化できる手軽さがあり、便の改善だけでなく脂肪燃焼効果やストレスケア効果も期待できます。まずは、【3分間腸もみ】をしてみましょう。左右の肋骨の下、左右の腰骨の上の計4か所は、下の図を見ていただくとわかるように、腸が大きく曲がっている場所で、便が溜まりやすいといわれています。
ここを重点的につかむようにしながらもみましょう。呼吸は本書で紹介している「1:2の呼吸法」を参考に行います。しっかり腸をもみこむことで全体の動きを活性化させ、副交感神経の活性化を促せます。これを朝、晩に3分間ずつやってみてください。まずは1ヶ月続けるだけで、大きな変化が得られるはずです。それでも不調が取れない場合は、【セル・エクササイズ】という全身の血流を高める体操も合わせて行いましょう。手のひらを頭の上でクロスさせ、左右に10回ずつ伸びるだけ。そして、ゆっくりと大きな円を描くように手を10回まわしましょう。呼吸は止めずにゆっくりとリズミカルに行うのがコツです。
副交感神経の活動を高める2つのエクササイズ
通常、トイレで排泄をしたらすぐに流してしまうと思います。しかし、そこはちょっと待って。うんちの状態であなたの体調がわかります。流す前に5秒だけでいいので、うんちを観察してみてください。真ん中のうんちが、正常な便です。
【出典】『原因不明の腰痛は自律神経が9割』
著:小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。スポーツ庁参与。順天堂大学医学部卒業、同大学院医学研究科を修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、現職。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)、『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』(幻冬舎)など、著書も多数。
病院で検査してもわからない……。原因不明の腰痛を“自律神経”から改善する一冊。国内でおよそ3000万人が悩んでいるとも言われている『腰痛』。
腰痛の原因はぎっくり腰やヘルニアなど様々ですが、実はその80%以上が原因不明と言われています。コロナ禍でカラダを動かすことが少なくなったため、「座りっぱなしだったから」「運動不足だから」と腰痛の原因を運動不足や筋肉疲労によるものだと思い込み、原因を突き止めようと病院を受診しても、結果は『異常なし』。よくわからないまま筋弛緩剤や炎症を抑える薬だけ飲むも、なかなかよくならない、という人が多くいます。また、腰痛は気になるがゆえにインターネットで検索すると、ガンや膵炎などの症状と一致することもあり、長く続くと不安に煽られて毎日楽しく生活することができなくなってしまうことも。そんな長引く謎の腰痛ですが、それはストレスと自律神経の乱れから来る現代病『心因性腰痛』かもしれません。本書では、そんな原因不明の腰痛を持つ人に向けて、自律神経の名医が腰痛の原因になっている自律神経を整えて痛みを取る『心因性腰痛』の改善法を紹介します。リラックスするための入浴法から腸がよみがえる食事法、心を軽くするために必要な考え方、生活習慣など、誰でもすぐに実践できる心因性腰痛の改善法を掲載します。しつこい痛みで、マッサージ・整体・針など、どんなに骨や筋肉への治療を試しても良くならない腰痛をお持ちの方にはぜひ読んで頂きたい一冊です。
公開日:2022.04.09