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腰痛で処方される薬や注射を信用しない人は治りが遅い理由とは?【腰痛の話】

Text:吉原潔

薬で治まらない痛みには注射を

患者さんの中には、「副作用が気になる」「痛み止めは原因解決にならない」などの理由で、薬の服用や注射をためらう人がいます。しかし、そのために痛みを長引かせて治りを遅くするよりも、医師と薬を信用して痛みが少しでも楽になれば、体を動かせる近道にも。ここでは基礎知識として知っておきたい、腰痛を改善する薬や注射について紹介します。

腰痛に処方される鎮痛薬は、急性期であれば「非ステロイド性消炎鎮痛薬」が主流です。市販薬ではロキソニンやボルタレンがこれに該当します。また、副作用が少ないため、子どもや高齢者によく処方されるのが「アセトアミノフェン」。こちらも、カロナールなどの商品名で市販されています。

これらの薬剤で効果が出ない場合は、「神経障害性疼痛治療薬」や「弱オピオイド」といった薬を併用したり、ビタミン剤などの鎮痛補助薬を同時に処方したりすることもあります。

薬で痛みが改善しない場合は、痛み止めの注射を打ちます。大きく2種類あり、トリガーポイント注射は、痛みを引き起こす部位に働きかけます。費用が安く、副作用もほぼないのが特徴です。もう1つの神経ブロック注射は、痛みを起こしている神経の付近に麻酔薬を注射し、痛みを脳に伝達する神経の働きを遮断します。どちらも一時的に痛みを止めることで、「痛みが痛みを増幅させる」悪循環を断ち切れます。

腰痛を緩和させる薬や注射の種類

腰痛を緩和させる薬や注射の種類『専門医がしっかり教える 図解 腰痛の話』

腰痛を改善する代表的な薬と注射を紹介します。上手に利用して、痛みの悪循環を断ち切りましょう。

鎮痛藥

弱オピオイド

商品名:トラムセット、トラマールなど
副作用:吐き気、便秘など
麻薬扱いではないオピオイドで、強い鎮痛効果があります。

神経障害性疼痛治療薬

商品名:リリカ、タリージェなど
副作用:めまい、眠気など
神経が障害されて起きる痛みに高い効果があります。

非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)

商品名:ロキソニン、ボルタレンなど
副作用 胃腸障害 腎機能障害
痛みや炎症、発熱を抑える薬剤として広く流通しています。

アセトアミノフェン

商品名:カロナールなど
副作用 食欲不振、血小板減少など
副作用が少なく、発熱や軽度または中等度の疼痛に使われます。

出典:『専門医がしっかり教える 図解 腰痛の話』著/吉原潔

【書誌情報】
『専門医がしっかり教える 図解 腰痛の話』
著:吉原潔

今や4人に1人が悩んでいるとも言われる国民病である『腰痛』。ぶつけた、痛めた、ぎっくり腰といった原因がハッキリしている腰痛だけでなく、『脊柱管狭窄症』『椎間板ヘルニア』『ぎっくり腰』などによる痛みや、病院で検査しても特に異常が無いと言われるものまで、痛みの原因は多種多様にあります。しかし、そんな痛みに対して痛み止めや筋弛緩剤などの薬で対処療法だけをしていても根本の治癒にはなかなか繋がらないため、しっかりと『腰痛の原因』と向き合うことが大切です。本書ではそんな腰痛を治して、長い人生を痛み無く健康に過ごすために、『脊柱脊髄外科専門医』と『フィットネストレーナー』という2つの肩書を持つ腰痛の名医による、腰痛が治らない意外な原因と、骨と筋肉にアプローチする自宅でできる腰痛のセルフケア法を紹介します。

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