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血液は赤いのに血管は青く見えるのはナゼ?人間の血管の驚くべきヒミツとは!【人体の不思議】

Text:西野精治

血管が青く見えるのはなぜ?

私たちの体には、血液が栄養分や酸素を細胞に運び、二酸化炭素や老廃物を回収するために全身くまなく血管が張り巡らされています。血管は、大きく「動脈」、「静脈」、「毛細血管」の3種類に分けられますが、全体の90パーセント以上は毛細血管です。

心臓に出入りする大動脈や大静脈は直径およそ2・5〜3センチメートルほどの太さで、血管は枝分かれを繰り返しながら次第に細く、網の目のように広がった毛細血管となって体の末端に向かいます。

いちばん細い毛細血管は200分の1ミリほどの太さになります。これらすべての血管を全部つなげると、成人の場合はおよそ10万キロ、地球を2周半するほどの長さになるといわれています。

ちなみに、心臓から送り出された血液が、再び心臓に戻ってくる「体循環」にかかる時間はおよそ30秒ほどで、大動脈では1秒に1メートルのスピードで血液が流れているといわれます。

血液の量は、だいたい体重の13分の1程度、体重60キログラムの人なら約4・6キログラム(血液比重1・055で計算)の血液が、フルスピードで体内を回っていることになります。

また、血液は赤いのに、手足の血管が青く見えるのはなぜだろうと考えたことはありませんか?

これは、光の波長の違いによって、目に見える色が変わるからです。光には、波長の長い光は吸収されやすく反射しにくく、波長の短い光は吸収されにくく反射しやすい、という特徴があります。

赤色は波長が長く、青色は波長が短いため、光が皮膚や血管の壁を通して反射してくると、青っぽく見えるのです。これには、皮膚の近くを流れる血管はほとんどが静脈で、体中を巡って酸素を失った血液が赤黒い色をしていることも、一因になっているといわれます。

出典:『図解 人体の不思議』監修/荻野剛志

『眠れなくなるほど面白い 図解 人体の不思議』はこんな人におすすめ!

・人間の体の構造について学びたい
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・誰かに話したくなる体の雑学を得たい

以上の方には「図解 人体の不思議」は大変おすすめな本です。

テレビやインターネットには健康に関するさまざまな情報があふれており、スマートフォンで専門的な知識ですら手軽に検索することが可能です。しかし、これらの健康に関する情報にはさまざまな内容が含まれており、その真偽を含めた有用性(どれが大事な情報か)を判断することが難しい状況があるように思われます。

これらの情報の有用性を判断して有効に活用し、自分自身が健康であるためには、まず人間の“からだ”についてできるだけ正しい知識を持つことが重要ではないでしょうか?なぜならこの正しい知識を持つことが、巷にあふれる健康に関する情報に流されず、鵜呑みにせず、どれが有用な情報であるのかを判断できるようになる土台となるからです。

本書では、人間の“からだ”についての理解を深めるための基本的な疑問を取り扱い、図解を入れながら、わかりやすく説明しています。読めば皆様の“からだ”のことをもっと知ろうとする意欲を刺激し、さらに知識を得るための第一歩となってくれるはずです。

脳は重くてシワの数が多いほど頭がいいのか?

生物の体には不思議なポイントが沢山あります。そして特に最も神秘的なカラダの部位と言えば人間の脳です。まずは、人体の脳における不思議について解説しましょう。

動物と脳の関係を比較すると、一般に小動物ほど体重の割に脳が重く、逆に大型動物ほど軽いことがわかります。動物の脳と体重の間には、「脳の重量は体重の0.75乗に比例する」という規則性があり、これを「スケーリング」といいます。ただし、この動物界の普遍的な規則にあてはまらない動物がいます。それがヒトです。ヒトは、動物の中では例外的に大きな脳を持っているのです。

また、ヒトの場合、アインシュタインの脳が1230グラムと一般的な成人男性の脳(1350〜1500グラム)よりも小さかったことから、脳の大きさと頭のよさは関係ない、ともいわれます。しかし、カリフォルニア大学の「脳の大きさと知能指数(IQ)の関係」の研究では、わずかながら脳の大きな人ほどIQが高く、とくに「大脳皮質」の「前頭前野」と「後側頭葉」の皮質が厚い人のIQが高いという結果が発表されました。

天才は生まれつきではない、幼少期がポイント

ところが、さらに研究を進めると、皮質が厚くてもIQが高くない人がいることもわかりました。このことから「IQの高さは皮質の厚さより、脳が幼少期にどれだけ成長したかが重要」といわれてきました。この説を裏づけるように、IQが120以上の人の脳は、7〜9歳頃の幼少期にはむしろ平均よりも皮質が薄く、その後13歳まで肥大化し、厚みを増し続けていたとされ、幼少期の教育熱は高まりそうです。

しかし、一方でIQはあらゆる知能を網羅した数値ではなく、万能性がないことも把握する必要がありそうです。昔からよく「脳みそのシワが多いほど頭がいい」といわれます。しかし、脳のシワは胎児のときに大脳が形成される過程でつくられ、生まれたときにはすでにできあがっているため、成長してどんなに勉強してもシワの数は増えないそうです。

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【書誌情報】
『図解 人体の不思議』
監修:荻野剛志

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