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どうして生物は男女に分かれて生まれてくるの?【人体の不思議】

Text:荻野剛志

より効率的に子孫を残す、「種の保存」のため!

たとえば、アメーバーのように雌雄がない生物では、体が2つに分かれる「分裂」によって殖えていきます。この場合、親と子はまったく同じ遺伝情報を持つことになり、環境が急激に変化するようなことがあると、それに適応できずにアメーバーは全滅してしまう可能性があります。

一方、男女(雌雄)が別々に存在すれば、2つの遺伝情報が混ざり、子は親兄弟とも異なる独自の遺伝情報を持ち、さまざまな変化が起きても誰かひとりは生き残れ、子孫を残せる可能性が出てきます。そこで多くの生物種はせっかく遺伝子の組み換えをするのなら、生き残りのチャンスを増やすためにできるだけ自分と違う遺伝子を探すようになりました。そのため、似たような遺伝子を持つグループを雄(男)と雌(女)に分け、効率的に組み換えができるようにしたのです。

ヒトは46本(23対)の遺伝子を持ち、23番目の染色体がXY(男性)となるか、XX(女性)となるかで男女の性別が決まります。女性の卵子は「X染色体」のみで、男性は「X染色体」と「Y染色体」の2種類を持っています。子どもは親の染色体を半分ずつ持つため、「XX染色体」となれば女性に、「XY染色体」となれば男性になります。

つまり、ヒトの場合、生まれてくる子どもは両親のふたつの遺伝子を併せ持つ新しい体質の人類なのです。地球環境は長い歴史の間に大きく変化します。もし、全員が同じ遺伝子を持ち、その遺伝子が地球環境に適さないとしたら人類はすでに全滅していたかもしれません。また、男女はその考え方や体質が違います。その違いがこれまでの社会の和を保ち牽引してきたことも否いなめません。

『眠れなくなるほど面白い 図解 人体の不思議』はこんな人におすすめ!

・人間の体の構造について学びたい
・人体における不思議なメカニズムについて触れてみたい
・誰かに話したくなる体の雑学を得たい

以上の方には「図解 人体の不思議」は大変おすすめな本です。

テレビやインターネットには健康に関するさまざまな情報があふれており、スマートフォンで専門的な知識ですら手軽に検索することが可能です。しかし、これらの健康に関する情報にはさまざまな内容が含まれており、その真偽を含めた有用性(どれが大事な情報か)を判断することが難しい状況があるように思われます。

これらの情報の有用性を判断して有効に活用し、自分自身が健康であるためには、まず人間の“からだ”についてできるだけ正しい知識を持つことが重要ではないでしょうか?なぜならこの正しい知識を持つことが、巷にあふれる健康に関する情報に流されず、鵜呑みにせず、どれが有用な情報であるのかを判断できるようになる土台となるからです。

本書では、人間の“からだ”についての理解を深めるための基本的な疑問を取り扱い、図解を入れながら、わかりやすく説明しています。読めば皆様の“からだ”のことをもっと知ろうとする意欲を刺激し、さらに知識を得るための第一歩となってくれるはずです。

脳は重くてシワの数が多いほど頭がいいのか?

生物の体には不思議なポイントが沢山あります。そして特に最も神秘的なカラダの部位と言えば人間の脳です。まずは、人体の脳における不思議について解説しましょう。

動物と脳の関係を比較すると、一般に小動物ほど体重の割に脳が重く、逆に大型動物ほど軽いことがわかります。動物の脳と体重の間には、「脳の重量は体重の0.75乗に比例する」という規則性があり、これを「スケーリング」といいます。ただし、この動物界の普遍的な規則にあてはまらない動物がいます。それがヒトです。ヒトは、動物の中では例外的に大きな脳を持っているのです。

また、ヒトの場合、アインシュタインの脳が1230グラムと一般的な成人男性の脳(1350〜1500グラム)よりも小さかったことから、脳の大きさと頭のよさは関係ない、ともいわれます。しかし、カリフォルニア大学の「脳の大きさと知能指数(IQ)の関係」の研究では、わずかながら脳の大きな人ほどIQが高く、とくに「大脳皮質」の「前頭前野」と「後側頭葉」の皮質が厚い人のIQが高いという結果が発表されました。

天才は生まれつきではない、幼少期がポイント

ところが、さらに研究を進めると、皮質が厚くてもIQが高くない人がいることもわかりました。このことから「IQの高さは皮質の厚さより、脳が幼少期にどれだけ成長したかが重要」といわれてきました。この説を裏づけるように、IQが120以上の人の脳は、7〜9歳頃の幼少期にはむしろ平均よりも皮質が薄く、その後13歳まで肥大化し、厚みを増し続けていたとされ、幼少期の教育熱は高まりそうです。

しかし、一方でIQはあらゆる知能を網羅した数値ではなく、万能性がないことも把握する必要がありそうです。昔からよく「脳みそのシワが多いほど頭がいい」といわれます。しかし、脳のシワは胎児のときに大脳が形成される過程でつくられ、生まれたときにはすでにできあがっているため、成長してどんなに勉強してもシワの数は増えないそうです。

シリーズ累計300万部は伊達じゃない!豊富に使われた図解の圧倒的わかりやすさ

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日々の生活の必須知識として家に置いておきたい一冊!

健康を考える上で「人体」について知っておくことの重要性はとても高いです。この一冊を読んで、睡眠を深く知り、健康な体を手に入れましょう。

【書誌情報】
『図解 人体の不思議』
監修:荻野剛志

「頭のよさは脳の大きさと関係ない?」「別腹は本当にある?」「恋愛は3か月で冷める?」「薄毛も肥満も遺伝のせい?」ーー科学が発達した現在でも「人体」は多くの謎と不思議に包まれ、最も身近で興味深く関心の高いテーマです。本書では、最新データや研究にも触れながら、人体のナゾとフシギを解き明かします。実際に役立つ知識と情報満載の1冊!

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