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急性腎障害に要注意!慢性腎臓病とはどう違う?慢性腎臓病の原疾患でもっとも多いのは【図解 腎臓の話】

Text:上月正博

原因を突き止め適切な治療を

腎臓の機能低下は非常に危険な状態ですが、これには短期間で急に悪くなる急性腎障害と、長期間かけて悪くなる慢性腎臓病があります。急性腎障害は数時間~数日で急に腎機能が低下した状態で、脱水やショックなどによって起こります。

急に尿の出が悪くなったり、まったく出てこなくなったりすることが多く、食欲低下や倦怠感などが起こる場合もあります。原因を突き止めて適切な治療をすれば回復する可能性があるので、迅速な対処が大事です。この急性腎障害は、原因が腎臓の手前か(腎前性)、腎臓自体か(腎性)、腎臓から出た後か(腎後性)の3種類に分けて考えられます。

腎前性は出血や脱水で血流が悪くなった場合など、腎性は腎臓内の炎症など、腎後性は尿路に関する問題などが該当します。原因によっては回復せず末期腎不全に陥ることもあり、厚生労働省の発表では毎年2000~3000人以上が急性腎不全によって亡くなっています。

これに対して、慢性腎臓病は数ヶ月以上かけて腎機能が低下していく状態で、腎臓がじわじわと破壊され、気づいたときにはもう回復が困難になっている病気です。この慢性腎臓病については16ページ以降で詳しく説明しますが、いまや国民病といえるほど患者が増えていて、とくに気をつけたい病気のひとつです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 腎臓の話』著/上月正博

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 腎臓の話』
著:上月 正博

血液をろ過する、尿をつくる、水分や塩分、ミネラル量などを一定に保つなど、数々の重要な役割のある臓器『腎臓』。普段はあまり意識することはないものの、人間の体の中で非常に大きな役割を果たしています。しかし、加齢をはじめ、生活習慣病などで悪くしてしまうと、人工透析が必要になってしまうなど、健康寿命に直結する臓器でもあります。本書ではそんな腎臓を長く健康に保つために、腎臓の名医による、腎機能を正常に保ち、いつまでも健康でいられるコツを紹介します。『そもそも腎臓の役割って?』という基本的な知識はもちろん、1300万人以上いるといわれる『慢性腎臓病(CKD)』の話、さらに自分や家族に使える『腎機能を高める食事法』、『透析中もできる『腎リハ』』などをイラスト、図解でわかりやすく解説します。人生100年時代を長く健康に生き抜くために誰でも参考になる一冊です。

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