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慢性腎臓病におけるステージの違いを知る!腎機能の程度を表わすGFR(糸球体ろ過量)とは?【図解 腎臓の話】

Text:上月正博

GFRによるステージ分け

ひと言で慢性腎臓病といっても、腎臓が悪くなり始めたばかりの状態から末期腎不全まで、その程度はさまざまです。そこで、慢性腎臓病の進行を表すために使われるのが「ステージ」という区分けです。ステージは下の表にあるように、G1からG5まで全部で6段階に分かれています。

表

このステージ分けは「GFR(糸球体ろ過量)」という数字をもとに行われます。これは糸球体がどれだけの血液ろ過をできるかを表した数字で、正常な状態を100として腎機能が半分になれば50、2割になれば20と、比率がすぐにわかるようになっています。

23ページで述べたように、GFRが60を下回るステージG3a~G5が慢性腎臓病に該当しますが、G1やG2でも尿たんぱく質や尿アルブミンが一定以上ある場合は、慢性腎臓病と診断されるので注意が必要です。なお、GFRを正確に調べるには大変な検査が必要なため、一般には血液検査の血清クレアチンの値から簡易的にGFRを算出する「eGFR(推算糸球体ろ過量)」が用いられます。

これは性別と年齢による標準的な筋肉量の差を考慮した数字で、あくまでも推算値にはなりますが、28ページからの早見表で現在の値を簡単に調べることができます。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 腎臓の話』著/上月正博

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 腎臓の話』
著:上月 正博

血液をろ過する、尿をつくる、水分や塩分、ミネラル量などを一定に保つなど、数々の重要な役割のある臓器『腎臓』。普段はあまり意識することはないものの、人間の体の中で非常に大きな役割を果たしています。しかし、加齢をはじめ、生活習慣病などで悪くしてしまうと、人工透析が必要になってしまうなど、健康寿命に直結する臓器でもあります。本書ではそんな腎臓を長く健康に保つために、腎臓の名医による、腎機能を正常に保ち、いつまでも健康でいられるコツを紹介します。『そもそも腎臓の役割って?』という基本的な知識はもちろん、1300万人以上いるといわれる『慢性腎臓病(CKD)』の話、さらに自分や家族に使える『腎機能を高める食事法』、『透析中もできる『腎リハ』』などをイラスト、図解でわかりやすく解説します。人生100年時代を長く健康に生き抜くために誰でも参考になる一冊です。

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