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動きケア®による予防と改善! 新発想の身体部分分けと基本運動⑨足首【スポーツ障害予防の教科書】

Text:土屋真人

身体の部分分けと基本運動⑨足首

歩く動きでも重要になる足首の基本動作

足首の基本運動には、「背屈と底屈」「外がえしと内がえし」「外旋と内旋」という6つがあります。背屈は足首を曲げる動きで、底屈は足首を伸ばす動きです。外がえしは足裏を外方に向ける動きで、内がえしは足裏を内方に向ける動きです。この外がえしと内がえしは歩く時にも重要な役割を果たします。歩き方の基本とされているのが、踵で着地↓小指球↓母指球と荷重し、母指で蹴るという動きです。この動きの中で、踵から着地し、小指球に荷重するまでは足裏が内方を向いていますが、この動きが内がえしになります。また小指球から母指球に荷重する際に内方を向いていた足裏を床につけるように動かしますが、この動きが外がえしになります。この動きは「あおり」と呼ばれます。このように外がえしと内がえしの動きが十分にできないとスムーズな歩行ができないわけです。
あとは、「外旋と内旋」ですが、距腿関節と距骨下関節の動きで、つま先を外方に向ける動きが「外旋」、つま先を内方に向ける動きが「内旋」になります。足首に捻挫グセがある場合などは、必ずと言ってよいほど、今までみてきた足首の基本運動の中に十分にできない動きがあります。その動きが十分にできるようになると足首の安定性も向上し、捻挫の再発予防にもつながります。「足首がゆるい」、「足首の弛緩性、不安定性が高い」と言われている方も、足首をまたぐ筋の機能を向上させればスポーツ障害リスクを軽減することができます。

あおり動作の体重移動【スポーツ障害予防の教科書】

あおり動作の体重移動

歩き方の基本は
①踵で着地
②小指球側に体重移動
③母指球側に体重移動
④拇指で蹴り出す
このときの①から②の動きが内がえしであり、②から③の動きが外がえしになる。

6つの足首の基本運動【スポーツ障害予防の教科書】

6つの足首の基本運動【スポーツ障害予防の教科書】

6つの足首の基本運動

①背屈⇔②底屈
③外がえし⇔④内がえし
⑤外旋⇔⑥内旋

出典:『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』

【書誌情報】
『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』
土屋真人

スポーツと姿勢は重要な関係にあり、姿勢が歪んでしまうと筋肉・柔軟性・可動域・バランスなどに影響を及ぼします。姿勢はちょっとしたことでも狂ってしまいますが、その修正方法を多くの選手は知りません。本書は姿勢を改善することでパフォーマンスをアップさせるとともに、ケガの予防にも役立つために、なぜ不調や痛みが生じるのか、どこの姿勢が狂っているのが原因なのかをわかりやすく解説し、その改善方法やトレーニングについてイラストと写真でビジュアル的に紹介します。人によって不調が生じる部分は様々です。首、肩。胸郭部、背中、腰、股関節、足、などの各部位ごとに必要な柔軟性をチェックし、不調の整え方、効果的なトレーニング、改善方法を、トレーナーを指導する体育協会理事長の著者が徹底解説する初めての一冊になります。