スイスは人口よりも観光客のほうがはるかに多い【図解 地理と経済の話】
国際都市で観光資源も豊富
中央ヨーロッパに位置する連邦共和制国家のスイス。国境をドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、リヒテンシュタインと接し、公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つあります。他国の紛争への介入が中立義務違反となる永世中立国としても知られていますが、ウクライナ戦争ではロシアへの経済制裁に参加して話題になりました。
また、スイス国内には多くの国際機関があります。国内最大の都市チューリッヒには国際サッカー連盟(FIFA)が、ジュネーブには世界保健機関(WHO)が、ローザンヌには国際オリンピック委員会(IOC)がそれぞれ本部を置いています。
面積が日本の9分の1ほどのスイスですが、アルプス山脈や、旧市街が世界遺産に登録されている首都ベルンなど観光資源が豊富です。年間観光客も2019年の統計で約1181万人(「グローバルノート(国連統計)」より)。これは総人口より約300万人多い数字です。
スイスで使われる4つの公用語
●国内に4つの言語圏がある
北部から中央部はドイツ語圏で、首都ベルンとスイス最大の都市チューリッヒも含まれる。さらに西部はフランス語圏で南東部はイタリア語圏。ロマンシュ語はグラウビュンデン州でだけ話される古い言語で、話者数は総人口の約0.5% 。
公共交通機関の発達も観光立国ならではといえるでしょう。特に鉄道網が発達しており、国有のスイス連邦鉄道が国内ほぼ全域を網羅するほか、近隣諸国から乗り入れる国際列車もあります。また、自動車や船舶など、観光の足となるさまざまな交通機関が充実しています。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』
著者:井田仁康
著者プロフィール
井田仁康:筑波大学名誉教授。博士(理学)。1958 年生まれ。日本社会科教育学会長、日本地理教育学会長などを歴任し、日本地理学会理事。筑波大学第一学群自然学類卒。筑波大学大学院地球科学研究科単位取得退学。社会科教育・地理教育の研究を行っている。著書や編著書に『読むだけで世界地図が頭に入る本』(ダイヤモンド社)、『世界の今がわかる「地理」の本』(三笠書房)などがある
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公開日:2024.10.08