観光地として人気のシンガポールは恐ろしいほどの超罰金社会!【図解 地理と経済の話】
「罰金都市」の異名を持つ
東南アジアで最も経済が発展した国シンガポール。古来、アジア・オセアニア地域における海上交易の中継点として栄えてきました。そして、貿易港として発展したイギリス植民地時代を経て、現在は金融、石油化学、電子・電気工業、情報などの産業が隆盛を見せる国際都市になっています。
そんなシンガポールへの外国からの観光客は年間1000万人以上。これは日本を上回る数です。中国語・マレー語・タミル語・英語を公用語とし、言語的な受け皿が広いのも旅行先に選ばれる理由のひとつでしょう。
ただ、ここで気をつけておきたいのが、シンガポールが超罰金社会であること。国内にガムを持ち込んだり、道路にゴミをポイ捨てしたりすると高額の罰金を科せられます。電車内での飲食、公共の場でのツバ吐きも同様。観光が売りの国ならではの、街をクリーンに保つためのルールなのです。シンガポールは「fine city」の異名を持ち、「fine」には「すばらしい」のほかに「罰金」という意味もあります。
変わったNG行為としては、植木鉢の受け皿に水が溜まったままにしておくと高額の罰金が発生するというものも。これは、蚊の発生源を絶ち、感染者が毎年数万人にのぼるデング熱などの感染症を防ぐためとされています。
これをやったら罰金のNG行為例
1SGD(シンガポールドル)=116円 ※2024年5月時点
※観光立国なので他人を不快にする行為は基本的にアウト。トイレを流さなかったり、横断歩道以外を横断したりするのもNG。自宅の木の伐採制限もある。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』
著者:井田仁康
著者プロフィール
井田仁康:筑波大学名誉教授。博士(理学)。1958 年生まれ。日本社会科教育学会長、日本地理教育学会長などを歴任し、日本地理学会理事。筑波大学第一学群自然学類卒。筑波大学大学院地球科学研究科単位取得退学。社会科教育・地理教育の研究を行っている。著書や編著書に『読むだけで世界地図が頭に入る本』(ダイヤモンド社)、『世界の今がわかる「地理」の本』(三笠書房)などがある
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昨今、地理的条件から政治を分析する「地政学」が注目を集めています。国土の形や立地、隣国との位置関係や気候などから、政治的・軍事的な影響を研究する学問で、世界情勢を紐解くうえで欠かせない考え方といえます。実は、地理は政治だけでなく、経済にも大きく関わっています。一見繋がりが見えにくい地理と経済の話ですが、
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公開日:2024.10.16