ニュージーランドはあえて開拓しないことで経済を回している【図解 地理と経済の話】
ありのままの自然を堪能する
ニュージーランドの面積は日本の70%ほどであり、人口密度は約20分の1しかありません。広々としたイメージがありますが、実は意外と小さな国なのです。自然にとても恵まれているのも大きな特徴。ニュージーランドでは、この自然の豊かさをセールスポイントにした観光業を前面に押し出しています。国土の約30%を国立公園にし、自然を守るための規制を敷いているのもそのためです。
開発は経済を動かす原動力のひとつですが、ニュージーランドでは自然をあえて温存し、観光スポットとして活用しています。さまざまなアクティビティが楽しめる最大のリゾート地クイーンズタウンはいうに及ばず、ワイトモ洞窟で土ボタルを観察したり、最高峰マウント・クックでスキープレーンに乗ったり、広い海岸線でホエールウォッチングを楽しんだり、見どころ・遊びどころは枚挙にいとまがありません。また、観光地にはトレッキングコースもあるので、自然をそのまま体感することも可能です。
この国では、貴重な動物たちも重要な観光資源。オーストラリア同様、固有種が多く生息するニュージーランドでは、飛べない鳥キーウィやカカポ、ペンギンのなかで最も数の少ないイエローアイドペンギンなど、希少な動物たちを積極的に保護しています。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』
著者:井田仁康
著者プロフィール
井田仁康:筑波大学名誉教授。博士(理学)。1958 年生まれ。日本社会科教育学会長、日本地理教育学会長などを歴任し、日本地理学会理事。筑波大学第一学群自然学類卒。筑波大学大学院地球科学研究科単位取得退学。社会科教育・地理教育の研究を行っている。著書や編著書に『読むだけで世界地図が頭に入る本』(ダイヤモンド社)、『世界の今がわかる「地理」の本』(三笠書房)などがある
累計300万部突破!『眠れなくなるほど面白い図解シリーズ』経済ジャンル最新刊、世界のニュースもお金の流れも、地理がわかればもっと面白い!『地理と経済の話』
昨今、地理的条件から政治を分析する「地政学」が注目を集めています。国土の形や立地、隣国との位置関係や気候などから、政治的・軍事的な影響を研究する学問で、世界情勢を紐解くうえで欠かせない考え方といえます。実は、地理は政治だけでなく、経済にも大きく関わっています。一見繋がりが見えにくい地理と経済の話ですが、
・インドでIT産業が特に発展したのはなぜ?・天然資源に恵まれたアフリカがなかなか成長できなかったのはなぜ?・中国やインドに続いて今後さらに伸びていく国はどこ?・中東で大量の石油が採れるのはなぜ? これらはすべて「地理」で説明ができます。今の世界情勢からこの先世界がどう動いていくかまで、世の中の流れがわかるようになる「経済地理学」が面白く学べる一冊です!
公開日:2024.10.30