部下が育つ任せ方には3つの原則がある
任せることは人を育てる上での原理原則であり、不変の真理です。
「人を育てるための最も効果的な方法は、任せることである」とピーター・ドラッカーも言っています。
ただし、任せるといっても、正しい任せ方と誤った任せ方があります。
間違った任せ方とは、放任です。
任せるとは権限移譲(Delegation/デリゲーション)ですが、放任では権限放棄(Abdication/アブディケーション)となってしまいます。
正しい任せ方には、「事前の瀬踏み」「中間報告」「ヒントを与える」という3つの原則があります。
「事前の瀬踏み」が必要なのは、むやみやたらと任せてしまっては、任された部下にとって過重負担になることがあるからです。
A君ならここまで任せられるが、B君にはその一歩手前までと、相手に応じて質と量を見極めることが、任せるものの責任でもあります。
「中間報告」とは、あらかじめスケジュールを決めて進捗の報告を受けることです。
任せたのだから後は知らないというのは、放任に過ぎません。
リーダーには任せた責任があり、部下には任された責任があります。両者の責任を果たすためには、定期的に進捗(しんちょく)経過の報告が必要なのです。
「ヒントを与える」とは、部下の質問や相談に対して解決策や答えは教えず、ヒントに留めるということです。
部下の相談に正解や解決策を教えてしまうのは、部下の成長の機会を奪うことにほかなりません。
【出典】『面白いほど役に立つ 図解 人を動かすリーダー力』
著者:新 将命 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
新 将命(あたらし まさみ) 株式会社国際ビジネスブレイン代表取締役社長。1936年東京生まれ。早稲田大学卒業。シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなどグローバル・エクセレント・カンパニー6社で社長職を3社、副社長職を1社経験。現在、ライザップグループ株式会社など数社のアドバイザーを務める。「伝説の外資トップ」と称され、“実論”にもとづいた独自の経営論・リーダーシップ論には定評がある。
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公開日:2022.07.17