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意外と知られていない!?SDGsに小さな「s」がつく理由とは?【親子で学ぶSDGs】

Text:笹谷秀光

SDGsに小さな「s」がつく理由とは?

SDGsは「Sustainable Development Goals」を略したものですが、最後に小さい「s」がつくのはなぜかを考えたことはありましたか?

答えは、17の目標はバラバラではなく、たがいにからみ合っているからです。わかりやすい例として、イタリアの都市ベネチアのある問題を紹介しましょう。

ベネチアには100以上の島々があり、たくさんの運河と橋がまちを結ぶ、水の都として知られる都市です。まち全体が世界文化遺産に登録され、観光地としても人気です。

しかし、大型クルーズ船がたびたび立ち寄るため、運河周辺の地盤や生態系など、環境への影響が心配されていました。近年は深刻な浸水被害も起きていますが、これは気候変動が直接的な原因といわれています。

水の都ベネチアがピンチに!?

オーバーツーリズムが与える悪影響

観光地に観光客が押し寄せることで、住民の生活や自然環境、景観などに我慢できないほどのダメージを与えることを「オーバーツーリズム」といいます。ベネチアでは大型のクルーズ船の事故、環境の悪化が深刻で、一時は世界文化遺産としての価値が失われかねないとして「危機遺産」への登録も検討されました。

海面の上昇でベネチアが水没!?

ベネチアは海抜が低いため、毎年のように浸水被害を受けています。2019年11月には、最高水位が2メートル近くに達するほどの浸水被害に見まわれ、有名なサン・マルコ広場は大きな被害を受けてしまいました。気候変動による海面上昇は世界的な問題となっており、ベネチアもかつてない危機に頭を悩ませています。

ベネチアの例をSDGsの17の目標に照らし合わせると、13番「気候変動に具体的な対策を」14番「海の豊かさを守ろう」15番「陸の豊かさも守ろう」と深く関わっていることがわかります。また、こうした状況に嫌気がさした住民が、どんどんベネチアを去っているので、11番「住み続けられるまちづくりを」とも関わっているといえるでしょう。

みなさんも気になるニュースを見聞きしたら、SDGsのどの目標と関係しているか考えてみてください。世界を知って、未来のためになにができるのかを一緒に考えていきましょう。

「親子で学ぶSDGs」はこんな方にオススメ!

・日本や世界で起こっていることに興味がある
・SDGs達成に向けた実際の取り組みが知りたい!
・自分自身が未来のためにできることはなにがあるのか?
・お子さんの調べ学習や夏休みの自由研究のテーマ決めにも

そう感じている方にはぜひ本書『親子で学ぶSDGs』を手に取っていただけたらと思います。

出典:『親子で学ぶSDGs』著/笹谷秀光

【書誌情報】
『親子で学ぶSDGs』
笹谷 秀光 著

今、大注目の大切な話「SDGs」について、わかりやすいテキストとイラストで解説しながら各項目を【3つのキーワード】にまとめました。「エスディージーズってなに?」という基本から、日本と世界の「ヤバイ問題・スゴイ取り組み」まで一気にわかります。

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