濃い色の野菜で成長をサポート
「なんで食べなきゃいけないの?」に答える
野菜が苦手な子どもと、野菜を食べさせたい親のバトルは、今も昔も多くの家庭で見られる光景です。どうにかして食べさせようとすると、子どもから「なんで野菜を食べなきゃいけないの?」とにらまれることも・・・・・・。
この「なんで?」にきちんと答えることが、子どもに野菜を食べさせるための第一歩です。すでにお話ししたように、野菜にはビタミンC、ビタミンAなど、健康を保ち成長を促すために必要な栄養素が詰まっています。
それだけではありません。野菜をしっかり食べることで、ごはんやパンなどの食べすぎを防ぎ、糖質の摂りすぎを抑える効果もあります。先に野菜を食べれば、血糖値の急上昇を防ぐこともできます。
野菜は体によいからといわれても、子どもは納得いきません。「ニンジンにはビタミンAがいっぱい入っていて、食べると肌が丈夫になるんだよ」など、わかりやすく野菜の役割を教えてあげるとよいでしょう。
子どもの1日あたりの野菜摂取目標量
●1~2歳 180g
●3~5歳 240g
●6~7歳 270g
●8歳以上 350g
出典:農畜産業振興機構「子どもの健康と野菜摂取について」
「濃い色」の「旬」の野菜を選ぶ
子どもにどの野菜を食べさせればよいのか、種類が多すぎて悩む方もいるでしょう。
迷ったときは、「濃い色」の野菜=緑黄色野菜を選ぶのがおすすめです。野菜の種類にもよりますが、緑黄色野菜にはビタミンA、ビタミンC、ビタミンK、葉酸、カリウムなど、重要な栄養素が多く含まれています。
ただし、見た目の色が濃くても中身が白っぽい野菜は、緑黄色野菜に含まれません。
ナスやキュウリを想像してもらえば、わかりやすいと思います。もちろん、だからといって食べなくてよいというわけではありません。
そして、野菜を買うときはなるべく「旬」のものを選びましょう。旬の野菜には栄養がたっぷり詰まっているうえに、味も抜群ですし、たくさん出回るためお値段もお財布に優しくなっています。
買い置きするなら冷凍野菜が便利
野菜を買い置きすると、使いきれずにいたんでしまったり、使いきれる分だけを買うと割高になってしまったりすることがありますよね。そんな悩みを解消してくれるのが、スーパーやコンビニで手に入る冷凍野菜です。
最近は、使いやすくカットしてあるものや、洋風・和風の料理向けの野菜ミックスなど、種類が豊富でとても便利です。冷凍にしても野菜の栄養価はほとんど下がらないので、ぜひとも活用してみてください。
とくにおすすめの冷凍野菜は、ブロッコリーを細かく砕いた「ブロッコリーライス」。適度に歯ごたえがあるので満腹感があり、栄養価も高いとても優秀な食材です。ブロッコリー特有の味も気にならないので、普段の献立にちょい足し食材として使ってみるのはいかがでしょうか。
子どもと野菜を仲よくさせる4つのポイント
1 野菜の役割を知る
「体によいから食べなさい」だけでは、子どもは納得してくれません。なぜ野菜が体によいのか、どんな栄養素を含んでいるのか。大人がわかりやすく説明してあげるとよいでしょう。
2 冷凍野菜を活用する
保存がきいて栄養価も高い冷凍野菜は、種類も豊富で使い勝手がよいのも魅力。ちょい足し食材として使えるブロッコリーライスはいち押しです。
3 濃い色の野菜を選ぶ
見た目も中身も色の濃い野菜=緑黄色野菜には、ビタミン類を中心に重要な栄養素がたくさん含まれています。とくに旬の野菜は、栄養をたっぷり含んでいるのでおすすめです。
緑黄色野菜の一例
インゲン、オクラ、カボチャ、小松菜、シソ、トマト、ニラ、ニンジン、パセリ、ピーマン、ブロッコリー、ほうれん草
4 大人も一緒においしく食べる
大人がニコニコとおいしそうに野菜を食べれば、子どもも「おいしいのかも、食べてみようかな」と思います。表情と言葉で野菜のおいしさを伝えましょう。
【出典】『小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事』著:工藤紀子
【書誌情報】
『小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事』
著:工藤紀子
子どもに栄養バランスのよい食事をいっぱい作ってあげたい、子どもには元気にすくすくと育ってほしいなどの思いに応えるため、子どもの体・脳・健康と成長をサポートするための知識やアイデアを紹介しています。「小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事」では、楽に楽しく安全にをモットーに、身近でさほど効果でない食材で食事の悩みを解決していきましょう。
公開日:2024.07.16