絶滅から奇跡の復活!? クニマス再発見の舞台裏とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話】

現在、世界中で多くの野生動物が絶滅の危機に瀕しており、年間で約40,000種の生き物が絶滅しているといわれています。しかし、絶滅したと思われていた動物が「再発見」されることもあります。

その一例が、サケの仲間であるクニマスです。かつてクニマスは秋田県の田沢湖のみに生息していましたが、湖の水質悪化により個体数が減少。最終的には絶滅したと考えられていました。しかし、2010年に山梨県の西湖でクニマスが再発見され、大きな話題に。記録によると1930年代、西湖ではクニマスの卵の導入が行われており、これが現在のクニマスの先祖となり定着したとされています。

この再発見に貢献したのは、タレントであり魚類学者でもある「さかなクン」です。彼が西湖で採取された魚を調査した結果、それがクニマスである可能性が高いことが判明し、京都大学の中坊徹次教授(当時)に精密な種の確認を依頼。結果として、その魚がクニマスであることが確認されたのです。

現在、西湖ではクニマスの保護活動が進められており、山梨県水産技術センターではクニマスの養殖に成功しています。しかし、田沢湖をかつてのようにクニマスが生息できる環境に戻すのは、依然として難しい状況です。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』監修:さかなのおにいさん かわちゃん

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』
監修:さかなのおにいさん かわちゃん

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食べること、飼うこと、水族館などでの鑑賞など、日本人にとって身近な生物の“魚類”。

魚類は生き物にしては珍しく、大きさや形、色、生息地域もさまざまなので、個体ごとの身体的特徴も大きく変化します。
また、食用としての魚と観賞用としての魚、漁業などのビジネスとしての魚では注目するポイントが異なるため、色んな角度から見ることができる面白い生物です。

「最古の魚は5億年前! 魚類の誕生と進化」「魚は何を食べる?」
「カニみそは脳みそではなく、肝臓や膵臓にあたる部位」
「シーラカンスが絶滅しなかったのは、味が激マズだったから!?」
「クジラ界にも「ヒット曲」があり、世界中の海で流行る」などなど
そんな魚のあらゆる疑問や意外な生態、誰かに教えたくなる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。

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