安くても売れない外国米のナゾ 外国米が日本市場になかなか入れない理由とは【眠れなくなるほど面白い 図解 米の話】

外国米が日本市場になかなか入れない理由

安くても売れない外国米のナゾ

米の価格の高騰で家計への影響が注目されるなか、外国産の米に目を向ける人が増えてきました。ただ、外国米が日本の市場で広く受け入れられるには、制度・市場・運用・文化といった複数の側面がかかわっています。

まず、制度的な要因として、日本の米づくりを守るために設けられている高い関税が挙げられます。1kgあたり300円を超える関税がかかることで、輸入米の価格は引き上げられます。「関税化」と呼ばれるこのしくみは、国内農家の経営を支える目的で導入されました。

次に、市場的な要因です。日本では国内の自給体制が整っており、需要に対して十分な供給力があります。そのため、海外から米を輸入する必要性は高くなく、輸入量は抑えられています。

さらに、実際の運用面にも特徴があります。日本は国際ルールに基づいて外国米を毎年一定量輸入していますが、その多くは食卓向けではなく、加工食品や外食用として使われるのが実情です。そのため、一般の店頭ではあまり見かけることがありません。

最後に、文化的な要因として、日本人の味の好みが影響しています。日本では、ふっくらと粘りのある米が好まれる一方で、外国産に多いインディカ種はパラパラとした食感のため、なじみにくい感じる人も多いのです。

外国米が出回りにくい要因

制度的な理由

1kgあたり300円を超える関税がかけられており、外国米の価格が大きく上がってしまいます。これは「関税化」と呼ばれる制度で、国内の農家を守るために導入されています。

市場的な理由

日本ではすでに米の自給体制が整っており、国内だけで需要をまかなう力がありますそのため、外国米を積極的に輸入する必要があまりありません。

運用面の理由

外国米は毎年一定量が輸入されていますが、その多くは加工食品や外食用として使われています。家庭向けにはほとんど流通していないのが現状です。

文化的な理由

日本人は、ふっくらとして粘りのあるご飯を好みます。外国産に多いインディカ米はパラパラとした食感のため、日常の食卓ではなじみにくいと感じる人が多いです。

代表的な外国米4種

カルロース米

産地:アメリカ(カリフォルニア)
特徴:中粒/やや粘りあり
用途:外食チェーン・家庭用
日本での立場:低価格帯で店頭流通あり

タイ米(インディカ種)

産地:タイ
特徴:細長くてパラパラ
用途:カレー・チャーハンなどエスニック料理
日本での立場:非常時の輸入実績あり/好み分かれる

ベトナム米

産地:ベトナム
特徴:安価/大量輸送に対応
用途:加工食品や業務用中心
日本での立場:備蓄・加工用に多く使われている

中国米

産地:中国(主に東北地方)
特徴:品種によって粒の大きさ・粘りに差あり
用途:業務用や一部加工品
日本での立場:品質にバラつき/一般流通はごく一部

外国米にもいろいろな個性があり、安いだけでなく、料理との相性も大事なポイントです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 米の話』著:トキオ・ナレッジ

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