成功の陰に“見えない支え”あり。歎異抄に学ぶ感謝の大切さ【眠れなくなるほど面白い 図解 歎異抄】

自分の力だけで達成したと思い込まないこと

如来よりたまはりたる信心を、わがものがほに、とりかへさんと申すにや。===第六条

【訳】如来から授かった信心を、まるで自分自身が与えたものであるかのように勘違いし、取り返そうとしているのだろうか。

信心とは阿弥陀仏からいただくものであり、自分の力で得るものではありません。あたかも自分の力で得たものだと考えるのは間違いです。野球の試合でホームランを打ち、大活躍をしたとしましょう。自分の才能や努力だけで打てたと思う人がいますが、それは違います。確かに個人の才能や努力もありますが、チームメイトやコーチからの助言や協力なども少なからずあったはずです。

自分の力だけでホームランを打ったと思い込んでしまうと、仲間を慕う気持ちがおろそかになってしまいます。これではいけません。自分の力を過信せず、常に謙虚な気持ちを忘れずに、周りの人たちへの感謝の気持ちを大切にしなければならないのです。

何か目標を成し遂げたとき、「自分の力だけで達成したと思い込まないこと」という教訓を示唆しています。人からの助けや支えを忘れず、感謝の気持ちを持つことは大切なことです。「謙虚な姿勢を保つこと」は日常生活では重要なことであるという点も気づかされます。親鸞はこの言葉を通じ、私たちに「謙虚な心」と「感謝の気持ち」の大切さを教えています。

如来(阿弥陀仏) 完全に悟りを開いた人を「如来」と言います。人々に救いをもたらし、仏の教えを次世代の人々に伝えにきた人を指します。

目標を成し遂げたときには、自分自身の力だけで成し遂げたと思ってはいけません。

ホームランを打つ

自分の力を過信せず、常に謙虚な気持ちを忘れずに、
周りの人たちには感謝の気持ちを大切にしなければいけません!

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 歎異抄』監修:山口謠司

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 歎異抄』
監修:山口謠司


【Amazonで購入する】

「善人なおもって往生を遂ぐ。いわんや悪人をや」――親鸞の死後に弟子の唯円が師の言葉をまとめた「歎異抄」。
仏教書の中でも、現代に必要とされる「安心」と「他力本願」の奥義がわりやすく、生きる力や癒やしにつながると根強い人気があります。700年以上前に親鸞が説いた、この今を生き抜くための名言には、「生きることはどういうことなのか」「信じた道をつき進めるか」「悪人こそが救われる」などという内容の言葉が書き起こされていますが、それは逆説的な意味合いを込めた、「明日を生きる力がわいてくる珠玉の名言」なのです。
日常生活に大いに役立つ歎異抄の世界。語り継がれる親鸞聖人の言葉は、現代社会に大きな影響を与えているといってもいいでしょう。
本書は歎異抄の世界をひもとき、親鸞聖人の考え方をどのように応用すれば、厳しい現代社会を生き抜くことができるかを、図やイラストをふんだんに使い、わかりやすく解説した一冊です。

この記事のCategory

インフォテキストが入ります