朝、子どもの起床が早すぎると思うなら、健康的な習慣か確認しましょう
行動パターンが朝型か夜型か、これは性格ではなく遺伝によって決まります。赤ちゃんや子どもは、少なくとも思春期を迎えるまで、早起きするための信号がでるようになっているため、ほとんどが早起きです。24時間単位で明暗を繰り返す地球の周期にあわせやすくしているのかもしれません。生物学的も、子どもが日の出とともに、または空が白みだした日の出の前に起きるのは、よいことで健康的です。
子どもの早起きが健康的なものか知るには、1日のうちで赤ちゃんの気分がどう変わっていくかを見ると参考になります。普通の起床時間は午前5〜9時です。いつもたいてい機嫌がよく、ものごとに集中して、まわりに注意を向けられる赤ちゃんは、よく休めているので自然に目が覚めていることでしょう。逆に1日中機嫌の悪い子は、昼間十分眠れないので、朝起きる時間が早くなることがあります。
生物学的な理由で早起きになっている場合、その習慣はなかなか変えられません。ほとんどの子どもは、小学生になるころ、起きる時間が遅くなっていくので、親の都合で赤ちゃんの自然な目覚めと眠りのタイミングを変えないようにしましょう。また、朝起きる時間を遅くしたいために、就寝の時間を遅らせないように。この方法がうまくいくことはほとんどありません。もっと早く起きるようになってしまうことも少なくないのです。とはいえ、仕事や家庭の事情で子どもに朝はもう少し寝ていてほしいという人もいるかもしれません。睡眠を十分にとりながら、朝遅くまで寝るようになる方法を紹介しましょう。
①夜にもっと早く寝かせましょう
就寝時間を普段より15分早くすると、朝起きる時間が遅くなることがあります。いつもは「自然に目を覚ませるように」とアドバイスしているのですが、この場合、時間を早くする分、午後または夕方の昼寝のときに15分早く起こします。また毎日少しずつ眠る時間を早めます。睡眠時間が90分(睡眠1周期分)のびたことに数日で気づくでしょう。大切なことは、大人にあわせて無理に朝遅くまで寝かせておこうとしないことです。赤ちゃんに自然な目覚めと眠りのタイミングをつくるようにしましょう。
②赤ちゃんが十分昼寝できるようにしましょう
十分昼寝ができていない場合、夜明け前などの早すぎる時間に起きてしまいがちです。NAPSメソッドを使い、赤ちゃんの眠りのサインに注意して、しっかり昼寝できるようにしてあげましょう。
③授乳のために早起きしていないか注意しましょう
毎朝早い時間、たとえば5時などに授乳をしてはいませんか。 朝早く授乳するのがいけないのではありません。毎朝決まった時間に授乳すると、その時間に赤ちゃんの体に「おなかがすいた」という信号がでるようになります。
まだ十分に眠っていないのに、早く起きるよう習慣づいてしまっているかもしれないのです。早朝の授乳が本当に必要なのか考えてみましょう。
④赤ちゃんが寒くないか気をつけましょう
つま先の冷たい人は寝つきが悪いというように、体温が睡眠に影響するケースがいくつかあります。レム睡眠のあいだは大人も体温調節がうまくできません。ましてや赤ちゃんは、体の体積が小さいわりに外気と接している表面積が広いため、大人よりも早く体温を奪われます。こうした理由から、レム睡眠の終わりなどに体温がさがり、朝早く起
きてしまっているのかもしれません。赤ちゃんの部屋が心地よい温度であるか、寒すぎたり暑すぎたりしないか注意しましょう。肌寒い日は足つきのパジャマを着せるなど対策を考えます。
睡眠を専門とするプロフェッショナルが考案した賢い子を育てる新メソッドとは?
子どもを賢く、強く育てたい人にオススメの一冊。本書で提案するのは「NAPSメソッド」という、全米各地での講演と実践を重ねた方法論です。著者は長年研究機関に身を置く、睡眠を専門とする神経科学者「ポリー・ムーア」。
ムーア博士は、脳の眠りのメカニズムをはじめ、脳細胞や睡眠障害の治療法など、脳を熟知した専門家であり、睡眠に対する強い関心とすべての患者の睡眠を改善しようとする熱意はこの上なく、多くの支持を集めています。
この本のなかでポリー・ムーア博士は、小さな子どもの夜泣きの原因が不十分な睡眠にあることを解き明かし、赤ちゃんの睡眠が認知力や情緒的発達の要であることを説いて、自然によく眠れるようになる「NAPS(昼寝)メソッド」を紹介しています。
NAPSメソッドを使えば、赤ちゃんに自然に眠る準備が整い、認知力や情緒的発達に必要な睡眠を十分にとれるようになります。
過剰な知育はむしろマイナス! 良質な睡眠が学習能力を決定づける!
過剰な知育はむしろ子どもにとってマイナスとなりうることをご存じですか。睡眠が十分でない子どもは、成長するにつれADHDなど重大な問題に見舞われることも。
赤ちゃんにとってみれば、世界全体が未知のものであふれています。特別なことをしなくても、たくさんのことを学ぶことができます。
自分の手足を眺めたり、家族の声を聞いたり、安全で単純なおもちゃや身のまわりの日用品で遊んだり、キッチンからただよう夕食の香りをかいだりするだけでも、そこには学びがあります。そうです、赤ちゃんの脳に必要なのはいうまでもなく良質で十分な睡眠です。できるだけたくさん寝かせてあげましょう。
ぐっすり眠ることで、赤ちゃんの脳は新しく得た情報を処理し、記憶し、すでに得ているほかの情報と組みあわせることができるようになります。
睡眠は、赤ちゃんが自分にとって新しい経験がどんな意味を持つのかを理解して、知識として定着させるのを助けるのです。赤ちゃんには凝った仕掛けのあるおもちゃや知育レッスンなど、過剰な刺激を与える必要はありません。
成績だけじゃない?集中力や注意力のある子どもに育てる方法とは?
長いあいだ昼寝をさせてもらえなかった赤ちゃんは、睡眠と覚醒のリズムの波がなくなってしまい、寝ているときも起きているときも同じような状態になり、どっちつかずのまま、きちんとものごとに集中したり、周囲に注意を払えなくなります。
そして眠りのサインもはっきりしなくなってくるので、親は寝かせる必要がないとつい思い込んでしまいます。
しかし、そうなってしまっても、昼寝の習慣はとり戻せるので安心してください。NAPSメソッドを実践してよい睡眠習慣と集中力や注意力が身につくようにしましょう。
数日家にいて、NAPSメソッドをきちんと使えば、赤ちゃん独特の眠りのサインがわかるようになります。そして、まわりの刺激に触れさせないようにして、眠りにつくのを手伝うとよいでしょう。
集中力や注意力のある子どもに育てるためにも、昼寝は必要です
つらい「夜泣き」もなくせる「NAPSメソッド」とは?
赤ちゃんはおなかがすくだけでなく、神経系が未発達なために泣くのです。
かすかな覚醒状態にあるとき神経学的システムチェックが行われ、不均衡が生じてうっすら目が覚めてしまい、なんとか睡眠状態に戻りたくて、助けを求めて泣くのです。
昼寝を十分していない赤ちゃんの場合、さらにやっかいです。昼寝で発散されるべきエネルギーがたまったままなので、神経系がよけいにイライラしやすく、不安定な状態だからです。
夜中に目覚める回数やしっかり起きてしまう場合がより多くなるもこのためです。
NAPSメソッドはN・A・P・Sの4ステップにわかれており、どの段階も簡単で、赤ちゃんによい眠りを提供できます
NAPSメソッドの効果は、実際に試して赤ちゃんが日中によく寝ると機嫌がよく、夜もさらによく眠ることを発見するまで理解できない人もいます。
まずは試してみることです。赤ちゃんは自然に眠って目覚め、十分に休めていることでしょう。
メソッドは大変簡単で、たった4つのステップがあるだけ、子どもの睡眠を記録するだけ。イレギュラーな例にも丁寧に回答しています。
本書はそのNAPSメソッドを1からご紹介。生涯にわたって重要となる集中力、情緒の安定、コミュニケーション能力ものばす、本当に優秀な子を育てる育児を学んでみませんか?
【書誌情報】
『賢い子は1歳までの眠りで決まる』
ポリー・ムーア 著
睡眠を専門とするプロフェッショナルが考案、自分の子どもで実践し、さらに全米で実績を積んできた「NAPSメソッド」。これによって、子どもに良質な睡眠を与え、夜泣きを改善し、乳児期に学習能力を飛躍的に発達させることができます。メソッドの方法は非常に簡単で、子どもの睡眠を記録するだけというもの。生涯にわたって重要となる集中力、情緒の安定、コミュニケーション能力ものばす、本当に優秀な子を育てる育児書。子どもの睡眠障害を防ぐこともできます。
公開日:2022.11.29