腸は骨で囲まれていないので、かなり動ける
腸を守っているのは腹筋などの筋肉
大腸は、食道から始まる消化管の最後となる部分で、盲腸(もうちょう)、結腸(けっちょう)、直腸(ちょくちょう)からなる長さ約1.5メートルの管です。人体解剖図などでは、大腸が小腸を囲んできれいに収まっているように見えますが、実際の体内では、とても複雑に曲がりくねっていて、大腸と小腸の区別すらつきにくいほどです。加えて、その曲がりかたは人によっていろいろ。まさに「変貌(へんぼう)自在」なのです。なぜかというと、守られるように骨に囲まれているほかの多くの臓器と違い、お腹にある腸は骨に囲まれていないためです。私たちが食べたものは、蠕動(ぜんどう)運動といって、食道から直腸までのリズミカルな筋肉の収縮の波によって、口側から肛門側に送られていきます。この運動は、かたい骨でお腹を囲んでしまうと、十分にできなくなるので、代わりにお腹の臓器は腹筋をはじめとする
大腸には消化する機能が備わっていない
大腸の役割は、小腸から送られてきた食べ物のかす(消化物)の水分を吸収し、かたい便にすることですが、じつは、その食べかすにはまだ若干、消化されずに残った栄養分が含まれています。それにもかかわらず、大腸自体には消化能力を備えていません。代わりに、これを分解するのが大腸に住み着いている腸内細菌です。ヒトは、自分の力で消化できない物質を、腸内細菌に処理してもらっているのです。
腸は骨に囲まれていない
結腸
大腸の主要部分。上や下、横、斜めにくねくねと曲がっている
盲腸
大腸のはじまりの部分。1日に約1.5リットルもの消化物が小腸から入ってくる。
直腸
大腸の末端部。結腸から運ばれる食べ物のかす(便)を一時貯蔵する。
肛門
便を出す部分。普段は閉じている。
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気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの?
空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む
いくつもの器官を通って脳に辿り着く
耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。
耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因
年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。
音波が聴覚に変わるしくみ
①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる
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解剖学は,医師や看護師、整体師、介護士、栄養士など医療・健康職や、トレーナー、ヨガ指導者など、スポーツ関係者が身に付けておくべき専門知識で、資格試験の科目です。いま、多くの人が勉強している解剖学のディープな面白さを、一般の人に向けて、ゆるくて楽しいイラストを使い、わかりやすく図解します
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井 建雄
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公開日:2023.09.27