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『論語』は二十篇から構成され、語りかける形式により内容がわかりやすい。孔子がほとんどを語りかけた相手とは?【論語】

Text:山口謠司

『論語』は、ほとんどが「子曰く」、で始まっています。それは、孔子が生前に弟子に語りかけたものを、そのまま記載する形式をとっているからです。

子曰く、で書かれた章は、数章から数十章までにまとめられて、二十の「篇」に構成されています。二十篇を挙げると以下のようになります。

1、学而第一 2、為政第二 3、八佾第三 4、里仁第四 5、公冶長第五 6、雍也第六 7、迷而第七 8、泰伯第八 9、子罕第九 10、郷党第十 11、先進第十一 12、顔淵第十二 13、子路第十三 14、憲問第十四 15、衛霊公第十五 16、季氏第十六 17、陽貨第十七 18、微子第十八 19、子張第十九 20、尭日第二十

この篇の名づけ方を見てみると、学而第一では、子曰、学而時習之、不亦説乎(後略)、為政第二では、子曰、為政以徳、譬如北辰居其所(後略)のように、子曰くにつづく文字を取って、篇の名としているのがわかります。

つまり、篇の名からは、その篇の全容を知るということはできません。

また、ひとつの篇に集められたいくつかの章が、必ずしも関連性をもった内容というわけでもありません。特徴のある篇といえば、郷党第十が孔子の生活について、食事についてなど、孔子の日常的な態度についてをまとめているところです。

各章では、孔子が語りかけている相手の弟子の名前が明記されているところもありますが、ほとんどが子曰く、つまり「先生がおっしゃった」だけになっています。

語りかけられた弟子のなかで、よく登場してくるのは、子貢、顔淵、子路などで、「孔門の十哲」と呼ばれる優秀な弟子たちがほとんどを占めています。

同じ内容について、弟子が質問してきたことに対して、孔子がそれぞれの弟子に合わせた答え方をしている点は、『論語』のひとつの面白さとなっています。語りかける相手が違っても、答え方を変えても、孔子が伝えようとしていることは、人間としてのモラルを身につけることを第一にせよ、ということです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 論語』
監修:山口謠司  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1963年長崎県生まれ。博士(中国学)。大東文化大学文学部大学院、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現大東文化大 学文学部中国学科准教授。 主な著書に『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』(ワニブックス)、『日本語を作った男 上田万年とその時代』(第29回和辻哲郎文化賞を受賞。集英社インターナショナル)、『日本語の奇跡〈アイウエオ〉と〈いろは〉の発明』『ん─日本語最後の謎に挑む─』『名前の暗号』(新潮社)、『てんてん 日本語究極の謎に迫る』(角川書店)、『日本語にとってカタカナとは何か』(河出書房新社)、『大人の漢字教室』『にほんご歳時記』(PHP 研究所)、『漢字はすごい』(講談社)、『語彙力のヘソ』(徳間書店刊)、『おとなのための 1 分読書』(自由国民社)など著書多数。


2500年の時を超え、「聖書」と並び読み継がれてきた孔子の言葉を著した『論語』。「人生最高の教え」と賞される、この全20章500余の短文から現代により通じる「珠玉の言葉」を厳選して紹介、図解でわかりやすくまとめた1冊!

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