相手を上回るには現場での観察力がものをいう
孫子は戦争に勝つためには、慎重に敵を観察することが大切とし、その際の注意点についてこう書いている。敵兵が杖にすがってやっと立っているのは飢餓に瀕している証拠。水汲み係が水を汲む前に自分の喉を潤すのは全軍が渇きに苦しんでいる証拠。多数の鳥が止まっているのはすでに敵兵が陣を払った証拠。旗指物の動きが激しいのは戦列が混乱している証拠。攻勢に出る好機なのに実行に移さないのは敵兵が心身ともに困憊している証拠。
夜中に呼び交わす声がするのは怯えて仲間の所在を確認している証拠。輸送用の牛馬を殺し、その肉を食べているのは追い詰められて死に物狂いになっている証拠。やたらに恩賞を下しているのは士気の低下に苦しんでいる証拠。兵士にやたら罰を下しているのは兵士が命令に服さなくなった証拠――といった具合である。
このように昼夜をとおして敵の観察をし続ければ、いつ攻撃をしかけるのが最適か、どこに攻撃を集中させるのが最適かはっきりと見極められ、味方の損失を最小限にしながら確実に勝利を得ることができる。
多少時間はかかろうとも、勝利に終わればいうことなしということだ。ここまで徹底した人間観察を行なう孫子の慎重さは、戦争に限らず、現代社会の多くの場面で見習うべき姿勢であろう。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 孫氏の兵法』 監修:島崎晋
『孫氏の兵法』はこんな人におすすめ!
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「孫子の兵法」を集めた『孫子』が編纂されたのは今から2500年以上も前です。それが今なお読み継がれている理由はずばり、
現代社会の様々な場面で応用が利くからです!
孫氏の兵法が出された時代は戦争の真っただ中でした。ですので、孫氏の兵法は「いかに勝負ごとに勝つのか」という点に集中しております。翻って現代社会に目を向けると様々な勝負ごとがあります。身近な例でいえば、受験戦争や職場での出世競争、スポーツ競技、自然災害の克服など、現代人は多くの勝負事を避けて通ることができません。
本書では、多くの人が知っておくべき「孫氏の兵法」について、徹底的に解説します。現代の社会にも十分に通用し、今なお多くの人が参考にしている孫氏が編み出した考え方を一緒に学び、厳しい現代社会に生きる上での活路を見出しましょう。
何事にも二面性があることを忘れてはいけない!
様々な教えがある「孫氏の兵法」ですが、ここでは「利に雑うれば、故ち務め信なる可し」という教えについて解説します。
物事には例外なく、「利益と害悪の両面」があります。利益だけに目を奪われていては、いつか必ず大きな失敗をするし、逆に害悪ばかりを気にしていると、何一つ事が進捗しませんしかし、知恵ある人間は、常に「利益と害悪の両面」を考慮に入れながら行動をするので、さしたる困難に直面することなく、物事を計画どおりに進めることができるのです。
過信せずに用心し続けることの大切さ
またこの部分で孫氏は、「過信は慎重さを失わせる」とも説明しています。人間は、どんなに教養や経験を積もうとも、それに比例して思慮深くなるとは限りません。むしろ過信に走る者のほうが多く、そこにつけ入る隙が生じてしまいます。ゆえに本当に見識のある人間は、聞き心地のよい言葉を並べ立てられたときは警戒心を募らせ、相手の術策にはまらぬよう用心します。
シリーズ累計220万部は伊達じゃない!豊富に使われた図解の圧倒的わかりやすさ
「図解 孫氏の兵法」」と銘打っているだけあって、図解がふんだんに使われています。
右ページに文章、左ページに図解で解説という形で全頁が構成。
さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!
この「眠れなくなるほど面白い図解シリーズ」は220万部を突破している大ヒットシリーズです。
日々の生活の必須知識として家に置いておきたい一冊!
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現代社会に役立つを考え方が満載の1冊!ぜひ『眠れなくなるほど面白い 図解 孫氏の兵法』をご一読ください!
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 孫子の兵法』
著者:島崎晋
新紀元前500年頃、孫武が勝負は運ではなく人為によるとし、その勝利の法則を理論化した兵法書。情報分析や見極め、行動の時機やリーダー論等、現代に通じるものとして今も人気が高い。「名言」を図解でわかりやすく紹介する。
公開日:2022.12.27