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鉄道の信号機ってどうなっている?鉄道と自動車用の信号のルールは同じなの?【図解 鉄道の話】

Text:綿貫 渉

最大6灯のライトで指示

自動車用の道路と同じく、鉄道の走る線路にも信号機が設置されています。鉄道用の信号機は、自動車用のものと同様に赤色・黄色・緑色の3色が使われていますが、3灯のものだけではなく、2灯から6灯までとかなり種類が豊富です。では、ライトの色や点灯の仕方によってどんな意味があるのでしょうか?赤色と黄色、緑色のライトが1個ずつの3灯のものは、赤で停止、黄で注意して走行、緑だと通常の速度で進行することができます。自動車用の信号機では黄が基本的に「止まれ」を意味する一方で、鉄道用では進んでもいいのです。

このほかに、赤1個、黄3個、緑1個からなる5灯のものもあります。5灯で特徴的なのは、黄が2個点灯で警戒を表し、黄1個と緑1個が点灯で減速を表すということです。自動車の場合、前の車との車間距離の確保はドライバーに任されており、またぶつかりそうになればハンドルを操作して避けることもできます。しかし鉄道の場合、急ブレーキはできず、レールの上を走るため、衝突を避けるには止まるしかありません。そのため信号機と信号機の間を1区間とし、1つの区間には1列車しか入れないようにして衝突を防いでいます。このしくみを閉そくといいます。

安全を守るために5つの指令がある鉄道の信号機

運行本数の多い首都圏の鉄道では、安全性のために最大5~6灯ものライトがついた信号機を採用しています。ここでは5灯式の指令表示法を紹介します。

5灯式信号機の場合

進行

列車同士の車間距離が十分取れており、通常通りの速度で運転してよいという表示です。

減速

黄色と緑が1個ずつ点灯した状態。時速65km以下、または時速75km以下で走行する必要があります(制限速度は、鉄道会社が独自に定めることができます。)

注意

黄色が1個点灯している状態。前の列車と距離が近いことを意味し、時速45km以下、または時速55km以下で走行する必要があります。

警戒

黄色が2個点灯しているときには、時速25km以下とかなり徐行して運転することが求められます。

停止

赤信号のときには、ブレーキをかけて赤ランプが点灯している信号機の手前に止まる必要があります。

ライト6灯の信号機には「高速進行」という表示が加わっています。これは通常よりも速く、時速160kmで走行することができます(成田スカイアクセス線で採用)。

5灯式信号機の場合『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』綿貫 渉

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』
綿貫 渉 著

通勤・通学、旅行・おでかけ…私たちは普段何気なく電車や駅を利用していますが、なぜ安全に時間通りに運行できるのか、遅延や事故・トラブルの際はどう対処しているのか、意外と知らないことも多い鉄道の話。本書では、今さら聞けない基本的なしくみから、知るほど面白い鉄道の歴史まで、図解やイラスト付きでわかりやすく解説します。

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