LOVE SPORTS

  • HOME
  • SPORTS LAB
  • 脳を育てるキーワード「まごわやさしい」とは!?【小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事】

脳を育てるキーワード「まごわやさしい」とは!?【小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事】

Text:工藤紀子

和食はやっぱり脳を育てる

キーワードは「まごわやさしい」

一汁二菜もしくは一汁三菜の組み合わせを基本とする「和食」。旬の食べ物を使った汁物、主菜、副菜から成る和食は、栄養バランスのよい食事として知られています。

彩りが控えめの和食は、子どもにとってあまり魅力的に映らないかもしれません。それでも、積極的に食べさせたいメリットが和食には詰まっています。

和食のよさをお話しするにあたって、キーワードとなるのが「まごわやさしい」という言葉です。これはバランスのよい食事をするために取り入れてほしい食材の頭文字をとったもので、和食によく使われる食材でもあります。

「まごわやさしい」とは?

●ま:まめ(大豆製品)
●ご:ごま(種実類)
●わ:ワカメ(海藻類)
●や:やさい(野菜類)
●さ:さかな(魚介類)
●し:シイタケ(キノコ類)
●い:いも(いも類)

海藻類はミネラルや食物繊維を含んでいますし、イカやタコにはコレステロールを減らすタウリン、いも類にはビタミンCとナトリウムを排出する働きをするカリウムが含まれています。

主菜に使われる魚や大豆製品は、体だけでなく脳の発達にも久かせないたんぱく質をたっぷりと含んでいます。

さらに、青魚にはn -3系脂肪酸のEPAとDHAが多く含まれています。米国神経学会(AAN)の研究で、*²⁷n-3系脂肪酸を含む食品をたくさん食べている人は、ほとんど食べていない人に比べて思考スキルが優れており、脳の構造も健康である傾向が見られるという研究報告があったそうです。

n-3系脂肪酸とは?

EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、α-リノレン酸などがあります。体にとって重要な働きをするものの、体内で合成できないので、食事から摂取する必要があります(必須脂肪酸)。

食育で子どもの食習慣に変化が!

子どもに和食を与えるメリットについて、*²⁸2002年に兵庫県・淡路島の小学校で興味深い調査が行われています。

調査の対象となった3校で、「まごわやさしい」をキーワードに食育を行った結果、子どもたちの摂取塩分量が減り、尿中のイソフラボンとタウリンの数値が上がったそうです。

大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、骨密度に対して有利に働くとされており、今も国内外で研究が進められています。

この調査で食育を受けた子どもたちは、食習慣が明らかに変化し、大豆や魚、野菜、いもなどを食べる習慣が身についたと見られています。栄養バランスのよい食事をとり、食材そのものの味をきちんと味わうことの大切さを、子どものうちから教えることがいかに大切なのかが、実感できるエピソードです。

子どもの成長にとって、和食はとても理にかなった食事です。

また、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」の和食。大事に伝えていきたいですね。

どうして和食が心身と脳を育てるのかを話しながら、しっかりと味わっていただきましょう。

世界に認められた食文化、和食

2013年、和食は「和食;日本人の伝統的な食文化」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。栄養の面だけでなく、食文化としての和食の素晴らしさを、大人が子どもに伝えるのもよいでしょう。

「まごわやさしい」で食生活が改善!

「まごわやさしい」で食生活が改善!【小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事】

兵庫県・淡路島の小学校で食育介入プロジェクトを実施

↓ 2ヵ月間のプログラムを終えた結果……

イソフラボンUP

・骨密度に対して有利に働く
・心臓疾患のリスクを減少

タウリンUP

・コレステロールを減らす

カリウムUP

・ナトリウム(塩分)を排出する

出典:小児保健 科学的根拠に基づく食育の実践

健康的な食事バランスのための「まごわやさしい」で覚える食材

ま:豆(大豆製品)

ま:豆(大豆製品)【小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事】

食べ物例:大豆、豆腐、きな粉、納豆 など

おもな栄養素:鉄、亜鉛

ご:ごま(種実類)

ご:ごま(種実類)【小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事】

食べ物例:ごま、くるみ、ピーナッツ など

おもな栄養素:カルシウム、ビタミンB1、マグネシウム、ビタミンE

わ:ワカメ(海藻類)

わ:ワカメ(海藻類)【小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事】

食べ物例:海苔、もずく、昆布、青海苔 など

おもな栄養素:カルシウム、マグネシウム、食物繊維、ヨウ素

や:やさい(野菜類)

や:やさい(野菜類)【小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事】

食べ物例:ニンジン、タマネギ、大根、トマト など

おもな栄養素:ビタミンC、ビタミンA

さ:さかな(魚介類)

さ:さかな(魚介類)【小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事】

食べ物例:魚、タコ、エビ、貝類 など

おもな栄養素:ビタミンD、ビタミンB群、タウリン、たんぱく質、鉄、亜鉛

し:シイタケ(キノコ類)

し:シイタケ(キノコ類)【小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事】

食べ物例:シイタケ、シメジ、キクラゲ など

おもな栄養::ビタミンD

い:いも(いも類)

い:いも(いも類)【小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事】

食べ物例:じゃがいも、さつまいも、里いも、長いも など

おもな栄養素:ビタミンC、食物繊維、カリウム

*²⁷保健指導リソースガイド(2022)「魚を食べると脳が健康になり思考力も高まるEPAとDHAの効果?魚を食べる食事スタイルを推奨』

*²⁸森真理(2017)『小児保健科学的根拠に基づく食育の実践』小児科Vol.58 No.6

【出典】『小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事』著:工藤紀子

【書誌情報】
『小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事』
著:工藤紀子

子どもに栄養バランスのよい食事をいっぱい作ってあげたい、子どもには元気にすくすくと育ってほしいなどの思いに応えるため、子どもの体・脳・健康と成長をサポートするための知識やアイデアを紹介しています。「小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事」では、楽に楽しく安全にをモットーに、身近でさほど効果でない食材で食事の悩みを解決していきましょう。

芝山ゴルフ倶楽部 視察プレーのご案内

オススメ記事