疲れているのに眠れない、寝ても疲れが取れない、いわゆる「睡眠障害」といわれる悩みを抱える人が増えています。睡眠不足が続くと、日中に睡魔に襲われるなど生活のリズムが崩れてしまううえに、自律神経の乱れや免疫力の低下を招きます。
健康の基本を支えているともいえる睡眠ですが、ここにも腸の働きが大きく関係しています。前ページで腸にはセロトニンを作り出す働きがあると述べましたが、このセロトニンは夜になると睡眠を促すホルモン「メラトニン」へと変化します。
つまり、質のいい睡眠を得るためには腸の働きを活性化させ、セロトニンの分泌を促す必要があるのです。そのためには腹圧を強くするなど、体幹トレーニングが欠かせません。
また、入浴後や就寝前に軽いストレッチで筋肉をほぐせば、血行がよくなり、心地よい眠りと目覚めがもたらされます。
現代人の睡眠不足は深刻
20歳以上の平均睡眠時間6時間未満は4割
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(2019年)によると、日本人の1日の平均睡眠時間は「6時間以上7時間未満」の割合が最も高かった。
体幹が強くなると、ぐっすり眠れる!?
体幹トレーニング→腸内の動きが活性化→セロトニンの分泌→自律神経が整う
快眠につながる寝る前のプチ習慣
睡眠中に、筋肉などさまざまな部位が修復され成長する。体の疲労回復や筋肉の成長のためには、よい睡眠は不可欠。快眠を導くための、ちょっとした習慣を心がけよう。
- 寝る前の腹式呼吸:寝る前に腹式呼吸やドローインを取り入れると、全身がほぐれて眠りやすい体になる。
- 布団の上でストレッチ:心身の緊張をほどき、副交感神経を優位に切り替えることで、リラックスできる。
- 規則正しい生活リズム:朝日を浴びることで体内時計がリセットされる。昼夜逆転の生活になっていたら見直してみよう。
- 食事は就寝2時間前まで:遅い時間まで食事をしていると、睡眠中も胃腸が働き続け、副交感神経が優位にならない。
- パソコンやスマホは閉じる:寝る直前まで、パソコンやスマホなどの強い光、ブルーライトを浴びていると脳が休まらない。
- 自分なりの睡眠スイッチ:「アロマを焚いたら寝る時間」のように、睡眠に意識を切り替える習慣を心がける。
【出典】『プロトレーナーが本気で教える 完全体幹教本』著:木場克巳