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純然たる選手育成に使用するソフトバンクと対照的な巨人の育成選手契約の利用法とは!?

Text:福嶌弘

巨人軍は育成制度をうまく使いこなせているのか?

日本一から10年以上も遠ざかる“球界の盟主”巨人。若手育成を疎かにしてきたツケが低迷の要因と言われているが……実際のところはどうだろうか?

巨人とソフトバンクの育成選手契約の利用の違い

支配下選手としてのドラフト指名選手より成功する確率が低く、一軍レベルに昇格しても小粒な印象の選手が多い巨人の場合、近年は育成選手をうまく活用できていると言えるのだろうか?

そうした声が内部から挙がったのか、最近では故障した支配下登録の選手を育成選手として再度契約して休養やリハビリに打ち込ませ、故障が癒えたら再度、支配下選手として登録をするという、ある種メジャーリーグのDLリストのような使い方をするようになった。

2019年のドラフトで1位指名を受けて入団するも間もなくトミー・ジョン手術を受け、21年から育成選手として契約し直し、今季から支配下登録に戻った堀田賢慎や2年連続で育成契約から支配下契約を結んでいる17年のドラフト1位投手の鍬原拓也はその典型例と言えるだろう。

巨人には現在でも支配下から育成契約に変えて在籍している選手は育成選手33人中10人もいる。純然たる選手育成のため
に育成選手契約を利用しているソフトバンクとは対照的だ。

野球人口の裾野を広げる目的で始めた制度だけにこれでは本来の趣旨とは異なるが、素質ある選手が故障で燻ることなく活躍できる機会が与えられるのであれば問題ないはず。育成制度導入に最も尽力した巨人だけに最も上手い活用法を見出してほしいものだ。

出典:『がっつり! プロ野球(32)』

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