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肺には、みずからふくらむ力がないの?【図解 解剖学の話】

Text:坂井建雄

横隔膜と肋間筋のおかげで肺は呼吸できる

肺に空気が流れ込んだり、押し出されたり

肺はみずからの力でふくらんだり縮んだりして、空気を吸い込んで、吐いていると誤解されがちですが、実はそうではありません。その点、自分の力で拍動(はくどう)することができる心臓とは、事情が違います。肺そのものにみずからふくらむ力はないので、胸とお腹の境目にある横隔膜(おうかくまく)という筋肉と、肋ろっ骨(ろっこつ)の間にある肋間筋(ろっかんきん)の力を借りています。息を吸うときは、肋間筋が縮んで肋骨が上に引き上げられ、それと同時に胸とお腹を隔てている横隔膜が下がり、肋骨内の空間が広がります。それで肋骨内の圧力が下がり、ふくらんだ肺のなかに空気が流れ込みます。息を吐き出すときは、伸びた肺が自分の弾力性によって元に戻ろうとすることで、肺のなかの空気が外へ押し出されます。肺が空気を吐き出して小さくなるのに合わせ、肋骨が下がると、横隔膜が上がって胸きょう郭かくが縮み、肺のなかの空気が押し出されます。これが、呼吸のしくみです。

吸った空気の3分の1は使われていない

左肺(さはい)は右肺(うはい)より小さく、形も異なります。その理由は心臓が左側にやや張り出しているため。重さは右肺が約600グラム、左肺が約500グラム。肺の容量は左右合わせ2リットル強で、1回の呼吸で空気を出し入れしている量は500ミリリットル程度です。ただし、吸った空気のすべてをガス交換に使えるわけではありません。なぜなら、吸い込む空気の3分の1は、1つ前の呼吸で完全に吐き出せずに気道に残った使用済みの空気だからです。

呼吸と関係が深い器官や筋肉

肺は、隣接する肋間筋と横隔膜という筋肉の力を借りて、ふくらむしくみになっている。

呼吸と関係が深い器官や筋肉『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』

シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ

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気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの?

空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む

いくつもの器官を通って脳に辿り着く

耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。

耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因

年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。

音波が聴覚に変わるしくみ

①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる

耳はどんなふうに働いて音を感じるの?『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』

★なぜ、悲しいときや嬉しいときに涙が出るの?
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解剖学は,医師や看護師、整体師、介護士、栄養士など医療・健康職や、トレーナー、ヨガ指導者など、スポーツ関係者が身に付けておくべき専門知識で、資格試験の科目です。いま、多くの人が勉強している解剖学のディープな面白さを、一般の人に向けて、ゆるくて楽しいイラストを使い、わかりやすく図解します

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井 建雄

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