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現代医療は次のステージへ!遺伝子の最新研究はどこまで進んでいるのか?【図解 解剖学の話】

Text:坂井建雄

個体の特徴も理解できる現代解剖学

ヒトの親からはヒトの子が、ネコの親からはネコの子が生まれます。それは親から受け継いだ遺伝子に、ヒトならヒトとしての全身のつくりを決める設計図が含まれているためです。それだけでなく、遺伝子には同じヒトでも少しずつ違う、その個体ならではの個性的な特徴も書き込まれています。解剖学が追求してきた人体の神秘を解くカギは、この「遺伝子」に集約されました。

遺伝子(遺伝因子)は、1865年にオーストリアのグレゴール・メンデル(1822~1884)が発表したエンドウ豆の交配実験の成果によって遺伝のメカニズムが示唆されて以降、その存在が予想されるようになりました。20世紀初頭になると、サットンやボリベといった遺伝学者により、遺伝子と染色体との関係について具体的な考察が行なわれ始めます。そして、1953年、アメリカのジェームズ・ワトソン(1928 ~)とイギリスのフランシス・クリック(1916~2004)によって、遺伝情報の詰まった本体が、二重らせんと呼ばれる構造を持った細長い分子(DNA)であることがわかりました。

そして、4種類ある塩基の組み合わせと並びかたによって、生物のさまざまな特徴が出現することも示されました。この発見は、これまで精神的、哲学的な概念とされていた「自己」や「アイデンティティー」が、遺伝子によって支配されるものであるということをも明らかにしました。

ヴェサリウスによる科学的な観察から始まった近代解剖学は、20世紀に入って電子顕微鏡(1931年発明。従来の顕微鏡よりもはるかに高倍率で観察可能)が駆使されるようになり、遺伝子研究という道を切り開きました。解剖学は、個人の健康や寿命や幸福に、ますます強い影響を与える学問として発展を続けているのです。

骨格を構成する主な骨『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』

シリーズ累計300万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ

図解シリーズは、文章と分かりやすい図で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。

ストレスって、どんな悪さをするの?『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』

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気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの?

空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む

いくつもの器官を通って脳に辿り着く

耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。

耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因

年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。

音波が聴覚に変わるしくみ

①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる

耳はどんなふうに働いて音を感じるの?『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』

★なぜ、悲しいときや嬉しいときに涙が出るの?
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などなど気になるタイトルが目白押し!

解剖学は,医師や看護師、整体師、介護士、栄養士など医療・健康職や、トレーナー、ヨガ指導者など、スポーツ関係者が身に付けておくべき専門知識で、資格試験の科目です。いま、多くの人が勉強している解剖学のディープな面白さを、一般の人に向けて、ゆるくて楽しいイラストを使い、わかりやすく図解します

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井 建雄

ヒトの骨は全部で何個あるの? 血管の長さって、どれくらいあるの? 女性と男性で呼吸法が違うって、ほんとう? いちばん身近でディープ! ヒトの体のナゾを徹底解明! 専門的知識ゼロでOK! 骨、筋肉、肺、心臓、腸、脳……。超素朴な疑問で楽しむ解剖学のキホン。いま、解剖学は医療職やスポーツ関係者だけでなく、健康や体に対する意識の高い人を中心に広く一般に関心が高まっています。解剖学は、人体を切り開き、ヒトの体のしくみと働きを追求する学問。そんな解剖学と解剖学から発展した生理学をベースに、いちばん身近でディープな人体の謎を、ゆるくて楽しいイラストとともにわかりやすく解説します。専門的知識ゼロでも大丈夫。素朴な疑問形式で、骨や筋肉、関節から、呼吸器、循環器、消化器、呼吸器、感覚器、生殖器まで、知っておきたい体のコトが楽しくわかります。日常生活にも役立ち、楽しさ満載の図解本。

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