「スリークォーターショット」と「ハーフショット」を8、9割の力で行なう
たまに街の練習場に足を運ぶと、周囲の人たちはドライバーもアイアンもフルショットしかしないことにいつも驚かされます。
アプローチショットの練習をすることはあっても、大体は全力でクラブを振り回しています。全力を10とすれば、ドライバーもアイアンも10のマックスの力で遠くに飛ばそうとばかりしているのです。
結果としてフィニッシュでバランスよく立てる回数が少なくて、ミート率がなかなか上がらず、距離感も方向も安定しにくくなります。
普段からこうした練習に明け暮れていては、「コースで使えるスイング」が身につきません。私たちプロやシングルゴルファーの考えるフルショットとは、どんなときも一定のリズムと力感でスムーズに振り切れるような「8割スイング」です。
8割スイングのフルショットの練習を積んでいるのであればOKですが、コースプレーではこのフルショットで球を打つ回数は案外少ないものです。
ティショットにおいては基本的にフルショットするとはいえ、方向性をより安定させたいために距離を少し落としたいときや、飛びすぎてバンカーや池などの障害物に入れてしまうことがないように、フルショットよりも振り幅を小さく抑えるケースがよくあります。
また、フェアウェイのショットも平坦な場所だけとは限りません。ちょっとした傾斜地になっていることが少なくないですから、やはりフルショットを避けたい場面が多いのです。
そんなときに役立つのがコンパクトスイングです。
コンパクトスイングとはフルショットよりも振り幅を小さめに抑えた「スリークォーターショット」と「ハーフショット」のことで、フルショットのトップの両手の高さを頭のてっぺんとすれば、スリークォーターショットは右耳の高さ、ハーフショットは右肩の高さが目安になります。
コンパクトスイングはアイアンショットで頻繁に用いますし、コースで使える実戦スイングをマスターするためにも、6~8番アイアンを使って練習しておきましょう。
コンパクトスイングの実際のトップはイメージよりも少し高くなりますが、振り幅を抑えるイメージを持つことでミート率がアップし、距離感も方向性も安定しやすくなります。
コンパクトスイングの練習で注意をしていただきたいことは、フィニッシュまで8、9割の力加減で振り切ること。
もう一つは、両手の高さが肩に達した時、背中は目標に向くくらいしっかりと捻転をすることです。
スイングをちょっとだけ小さくするだけで、こんなに真っ直ぐ飛んでいくことがわかれば、きっとゴルフの練習が楽しくなるでしょう。
【書誌情報】
『あなたのスコアが一変する! 中井学のゴルフ練習革命 次のラウンドで結果が出る実戦スイングのつくり方』
著者:中井学
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公開日:2023.01.13