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あらゆる心理学を駆使して心の問題を解決する「臨床心理学」という学問とは?【臨床心理学】

Text:湯汲英史

あらゆる心理学の知識が必要

臨床心理学の「臨床」とは「実際に患者に接して、診療や治療を行うこと」という意味で、心理学は「科学的な手法によって人の心の動きや行動の仕方を研究する学問」とされています。

つまり、臨床心理学とは、心理学の知見を用いて、心の問題や行動上の問題を持つ患者の診療、治療を行うための学問ということになります。なお、心理学には人間の心理全般が対象となる「基礎心理学」と、個人の心理が対象となる「応用心理学」がありますが、臨床心理学は後者の分類になります。

臨床心理学では、あらゆる心の問題に対処できるようにするために、「知覚・認知心理学」「学習・言語心理学」「感情・人格心理学」といった個人に焦点をあてた心理学から、「社会・集団・家族心理学」「教育・学校心理学」「産業・組織心理学」といった家庭、学校、会社などでの集団心理に焦点をあてた心理学も学びます。

また、心の問題を解決するための聞き取りや支援の方法といった技法、精神疾患の知識、人体の構造と機能、病気の知識も学んで、心の問題の解決に役立てようとします。このように、臨床心理学はさまざまな心理学がベースとなっており、ある意味、個人を対象とした応用心理学の集大成とも言えるものなのです。

臨床心理学の基礎となる心理学【臨床心理学】

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』監修/湯汲英史

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』
監修:湯汲英史

ADHDや学習障害、統合失調症やパニック障害などの言葉を耳にする機会はありますが、なんとなく心やメンタルの不調・病気と捉えてしまいがちな臨床心理学の分野。しかし紐解いていくと実はそれぞれの症状には特性や原因があり、子どもが抱えやすいのものから大人が抱えやすいものまで様々です。また、ストレスが原因で自分では気づかないうちに発症してしまうものも。本書ではそんな一見理解し難い「心の問題」の特性や症状を図解でわかりやすく解説します。最も大切なことはしっかりと特性を理解して自分と、そして他人と向き合うことです。「自分は他人がふつうにできることができない」「職場のあの人はどうも変に感じる」「子どもがじっとしていてくれない」こうした日常のもやっとした感情も、臨床心理学を知ることで理解が深まります。また、実際に現場で心の病気を抱えた人と向き合う公認心理士師の仕事についても紹介します。臨床心理学を通して「心の問題」について知ることで、自分や他人の特性がわかり、周囲と上手に付き合っていく方法を知ることができる一冊です。

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