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臨床心理学の専門家である〝公認心理師〟に求められるスキルとは?【臨床心理学】

Text:湯汲英史

国民の心の健康を保持し増進を図る心理職

公認心理師は、『公認心理師法』によって義務が定められており、そのなかのひとつに「心の問題を抱える人たちに対処するための知識及び技能の向上に努めなければならない」というものがあります。このように、科学と実践の両方を身につけるべきという方針は、「科学者-実践者モデル」と呼ばれるもので、世界標準となっている考え方です。

公認心理師の科学者としての側面とは、科学的な研究方法と、統計によるデータの評価方法を用いて実践の結果を検証することにあります。一方、実践者としての側面とは、習得した基礎となる心理学の理論を用いて、患者を支援する実践を積み重ね技能を磨くことです。その際、検証した実践の結果を役立てることが重要で、これを繰り返すことで、よりよい実践活動ができる理想的な公認心理師となれるのです。

また、近年は「生物-心理-社会モデル」という考え方も重視されるようになっています。これは、心の病気は複数の要因で起きるという考え方を基にしており、その要因を「生物学的要因」「心理学的要因」「社会的要因」の3つに分類するものです。

この3つの側面から、患者の状態を判断し、治療や支援の方法を検討、実践しようという考えです。そのため、公認心理師には幅広い知識が求められているのです。

公認心理師に求められる実践と研究【臨床心理学】

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』監修/湯汲英史

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』
監修:湯汲英史

ADHDや学習障害、統合失調症やパニック障害などの言葉を耳にする機会はありますが、なんとなく心やメンタルの不調・病気と捉えてしまいがちな臨床心理学の分野。しかし紐解いていくと実はそれぞれの症状には特性や原因があり、子どもが抱えやすいのものから大人が抱えやすいものまで様々です。また、ストレスが原因で自分では気づかないうちに発症してしまうものも。本書ではそんな一見理解し難い「心の問題」の特性や症状を図解でわかりやすく解説します。最も大切なことはしっかりと特性を理解して自分と、そして他人と向き合うことです。「自分は他人がふつうにできることができない」「職場のあの人はどうも変に感じる」「子どもがじっとしていてくれない」こうした日常のもやっとした感情も、臨床心理学を知ることで理解が深まります。また、実際に現場で心の病気を抱えた人と向き合う公認心理士師の仕事についても紹介します。臨床心理学を通して「心の問題」について知ることで、自分や他人の特性がわかり、周囲と上手に付き合っていく方法を知ることができる一冊です。

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