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知的障害の子を持つ親のケアはどう考えるべきなのか?【臨床心理学】

Text:湯汲英史

本人だけでなく家族のケアも考える

知的能力障害は根底にある障害そのものの改善が難しい特性です。このため、適応機能の向上を促して生活しやすくする支援が中心となります。一般的な支援は、家庭・ケアホーム・施設などで協働的に行われます。教育面では特別支援学校における少人数教育によって、一人ひとりの実態に即した指導が行われます。

なお、ごく軽い軽度知的能力障害の場合、本人や家族も特性に気づかないまま大人になるケースもあります。このような場合、成績の悪さが本人の努力不足と見なされ、劣等感を抱いていることも多いため、心のケアも重要です。また、幼少期に診断を受けた子どもに対しても同様です。知的能力障害は、適応機能のケアが優先されやすいので、心のケアをおろそかにしないように気をつけなければいけません。

一方、家族に対するフォローも重要です。自分の子どもが知的能力障害だったと発覚したときのショックは大きく、子どもに対して適切な支援を行えないことがあります。周囲の支援や環境によって、十分にその人らしい人生が送れることを理解してもらい、前向きに支援に取り組めるように促します。

家庭での支援が中心の場合、一時的に子どもを施設や行政サービスなどに預けて心身の負担を軽減するサポートも、家族全体の生活の質を高めるうえで重要です。公的サービスを知らないまま家族が疲弊していくこともあるため、しっかりと周知させる必要があります。

最終的な判断は自分の意思で【眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学】

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』監修/湯汲英史

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』
監修:湯汲英史

ADHDや学習障害、統合失調症やパニック障害などの言葉を耳にする機会はありますが、なんとなく心やメンタルの不調・病気と捉えてしまいがちな臨床心理学の分野。しかし紐解いていくと実はそれぞれの症状には特性や原因があり、子どもが抱えやすいのものから大人が抱えやすいものまで様々です。また、ストレスが原因で自分では気づかないうちに発症してしまうものも。本書ではそんな一見理解し難い「心の問題」の特性や症状を図解でわかりやすく解説します。最も大切なことはしっかりと特性を理解して自分と、そして他人と向き合うことです。「自分は他人がふつうにできることができない」「職場のあの人はどうも変に感じる」「子どもがじっとしていてくれない」こうした日常のもやっとした感情も、臨床心理学を知ることで理解が深まります。また、実際に現場で心の病気を抱えた人と向き合う公認心理士師の仕事についても紹介します。臨床心理学を通して「心の問題」について知ることで、自分や他人の特性がわかり、周囲と上手に付き合っていく方法を知ることができる一冊です。

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