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本人の意思とは無関係に繰り返される「チック症群」とは?【臨床心理学】

Text:湯汲英史

特性が1年以上続くことも

チック症群/チック障害群(TD)は、まばたきや咳払いなどの行為が一定期間、繰り返し続く特性です。一見すると単なる癖のように思えますが、本人の意思とは関係なく発生してしまうため、止めたくても止められません。チック症群は、言語や発声を行う音声チックと、頭や手などが動く運動チックに分けられるほか、行為の持続時間による単純チックと複雑チックにも分けられます。

たとえば単純音声チックは咳払いが代表的ですが、複雑音声チックになると汚い言葉や卑猥な言葉を繰り返すこともあり、周囲を驚かせるばかりか強く叱責されてしまうケースも珍しくありません。また、運動チックではまばたきならば日常生活に大きな支障はありませんが、手を動かすチックが発生した場合、字を書くことが困難になることもあります。

多くの場合、一時的な発生でおさまり、持続期間が1年未満の場合は「暫定的チック」と診断されます。しかし、なかには1年以上続くことがあります。この場合、運動チックか音声チックの片方が続くならば「持続性チック」、両方ならば「トゥレット症」と呼ばれます。

チック症群はほかの特性を併存していることも多く、そのなかでもADHD(や強迫性障害が代表的です。

チック症群の主な特性【眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学】

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』監修/湯汲英史

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』
監修:湯汲英史

ADHDや学習障害、統合失調症やパニック障害などの言葉を耳にする機会はありますが、なんとなく心やメンタルの不調・病気と捉えてしまいがちな臨床心理学の分野。しかし紐解いていくと実はそれぞれの症状には特性や原因があり、子どもが抱えやすいのものから大人が抱えやすいものまで様々です。また、ストレスが原因で自分では気づかないうちに発症してしまうものも。本書ではそんな一見理解し難い「心の問題」の特性や症状を図解でわかりやすく解説します。最も大切なことはしっかりと特性を理解して自分と、そして他人と向き合うことです。「自分は他人がふつうにできることができない」「職場のあの人はどうも変に感じる」「子どもがじっとしていてくれない」こうした日常のもやっとした感情も、臨床心理学を知ることで理解が深まります。また、実際に現場で心の病気を抱えた人と向き合う公認心理士師の仕事についても紹介します。臨床心理学を通して「心の問題」について知ることで、自分や他人の特性がわかり、周囲と上手に付き合っていく方法を知ることができる一冊です。

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