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自傷行為を繰り返してしまう子供はどのような心の問題を抱えているのか?【臨床心理学】

Text:湯汲英史

「単なる不器用」とは異なる?

これまで紹介してきた特性以外にも、子どもの頃に発生しやすい特性として発達性協調運動症/発達性協調運動障害(DCD)や常同運動症/常同運動障害(SMD)があげられます。 発達性強調運動症は年齢や知能に反して協調運動が苦手な特性です。協調運動とは、たとえば縄跳びのような「手で縄を回し、タイミングを合わせて足で飛び跳ねる」といった具合に、別々に動く機能を連動させて、ひとつの行為にまとめる運動のことです。

同年代の子どもたちと比較して著しく協調運動が苦手な場合、「単なる不器用」ではなく発達性協調運動症の可能性があります。ただし、子ども時代は成長の差が激しく、運動の得意・不得意は単純な成長の差によるものかもしれません。特性か否か、慎重な診断が求められます。

一方、常同運動症とは、常同行動(目的のない行動を繰り返すこと)にかかわる特性です。常同行動の種類は小さな動きから大きな動きまでさまざまで、その運動内容によっては特に問題視されないこともあります。

しかし、なかには他者を巻き込んだり、自傷行為に発展したりすることがあります。こうした常同行動が見られる場合、日常生活や社会生活に大きな支障が出るため、適切な治療・介入が必要となります。

発達性協調運動症/発達性協調運動障害(DCD)【眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学】

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』監修/湯汲英史

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』
監修:湯汲英史

ADHDや学習障害、統合失調症やパニック障害などの言葉を耳にする機会はありますが、なんとなく心やメンタルの不調・病気と捉えてしまいがちな臨床心理学の分野。しかし紐解いていくと実はそれぞれの症状には特性や原因があり、子どもが抱えやすいのものから大人が抱えやすいものまで様々です。また、ストレスが原因で自分では気づかないうちに発症してしまうものも。本書ではそんな一見理解し難い「心の問題」の特性や症状を図解でわかりやすく解説します。最も大切なことはしっかりと特性を理解して自分と、そして他人と向き合うことです。「自分は他人がふつうにできることができない」「職場のあの人はどうも変に感じる」「子どもがじっとしていてくれない」こうした日常のもやっとした感情も、臨床心理学を知ることで理解が深まります。また、実際に現場で心の病気を抱えた人と向き合う公認心理士師の仕事についても紹介します。臨床心理学を通して「心の問題」について知ることで、自分や他人の特性がわかり、周囲と上手に付き合っていく方法を知ることができる一冊です。

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