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子どもが抱えやすい心の問題!物を壊したり暴れてしまう子供への適切な対応方法とは?【臨床心理学】

Text:湯汲英史

発症年齢が早いと症状が悪化しやすい

子供について注意したい精神疾患として行為障害(CD)があります。行為障害とは、反社会的、攻撃的な行動などを何度も繰り返すことで、素行症/素行障害とも呼ばれます。

「他人や動物への攻撃」「物の破壊」「嘘や窃盗」「ルール違反」の4パターンに分けられ、これらの症状が繰り返されると行為障害の疑いがあります。発症年齢によって2タイプに分かれ、10歳未満の場合は小児期発症型、10歳以上の場合は青年期発症型に分類されます。発症当初は嘘や悪口などの軽度の問題行動が続きますが、症状が長引くにつれて残酷性や反社会性が強まっていきます。

青年期発症型は症状が軽いことが多く、成人するまでに治りやすい傾向があります。一方、小児期発症型も約3分の2が成人までに治るとされていますが、発症時期が早ければ早いほど問題行動が長引き、法的なトラブルを起こしやすくなる恐れがあります。なお、注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害で衝動性が目立つタイプは、行為障害を併存していることが多いとされています。注意欠如・多動症には悪口や暴力などを行う反抗挑戦性障害という二次障害がありますが、この障害が悪化することで行為障害を引き起こす可能性が考えられます。

行為障害の治療法は、本人に対する行動療法(SSTなど)と保護者に対する心理教育やペアレント・トレーニング(PT)が実施されます。ただし、治療前には保護者自身に問題がないかを必ず確認しなくてはいけません。なぜなら、行為障害の環境要因としてネグレクトや過剰な躾など、家庭環境の問題が考えられる可能性があるからです。こうした場合、当事者を家族から離し、適切な環境で保護するなどの方法がとられることもあります。

行為障害(CD)・素行症/素行障害【眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学】

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』監修/湯汲英史

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』
監修:湯汲英史

ADHDや学習障害、統合失調症やパニック障害などの言葉を耳にする機会はありますが、なんとなく心やメンタルの不調・病気と捉えてしまいがちな臨床心理学の分野。しかし紐解いていくと実はそれぞれの症状には特性や原因があり、子どもが抱えやすいのものから大人が抱えやすいものまで様々です。また、ストレスが原因で自分では気づかないうちに発症してしまうものも。本書ではそんな一見理解し難い「心の問題」の特性や症状を図解でわかりやすく解説します。最も大切なことはしっかりと特性を理解して自分と、そして他人と向き合うことです。「自分は他人がふつうにできることができない」「職場のあの人はどうも変に感じる」「子どもがじっとしていてくれない」こうした日常のもやっとした感情も、臨床心理学を知ることで理解が深まります。また、実際に現場で心の病気を抱えた人と向き合う公認心理士師の仕事についても紹介します。臨床心理学を通して「心の問題」について知ることで、自分や他人の特性がわかり、周囲と上手に付き合っていく方法を知ることができる一冊です。

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