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周りが不愉快な口臭って何が原因で臭うの?1日の中でも口臭の強さは変動する【図解 老化の話】

Text:長岡功 野村義宏

歯をきちんと磨いていても口臭はする?

生理的な口の匂いは誰もが持っています。気になる口臭の程度は唾液の分泌量に影響すると考えられています。唾液そのものは無臭で、唾液には細菌を洗い流すといった役割があり、食べ物をかむなど口を動かすと唾液腺が刺激されて、唾液の分泌が増えます。ただし、就寝中では唾液が減るため、朝起きたときは口臭がきつくなるようです(下図)。

口臭の強弱と時間経過

口臭の原因は、舌の上につく“舌苔”と歯や歯肉の病気の“歯周病”といわれています(36ページ)。老化が進むと唾液量が低下し、経年的な歯周病などの進行によって口腔内の細菌が増える。こうしたことが重なって口臭の悪化につながっていくのですね(下図)。

口臭のさまざまな臭い

増えた細菌が口腔内の食物残渣などを分解するときに発生する“揮発性硫化化合物(VSC)”という物質(ガス)が臭いのが原因で、特に舌苔からのVSC産出量が多い。VSCとして、“硫化水素”“メチルメルカプタン”“ジメチルサルファイド”の3種類が知られています。硫化水素は「腐った卵の臭い」、メチルメルカプタンは「腐魚やタマネギのような臭い」、ジメチルサルファイドは「生ゴミのような臭い」です。そのため、歯磨きを怠っている人や、入れ歯や差し歯などが汚れている人は口腔内の細菌がどんどん増えてしまう。そうすると、さらにVSCが増加して、口臭が強くなってしまうわけです。

老化すると、さらに新たな細菌が口腔内で増え、細菌脂肪酸の仲間である“イソ吉草酸”と“酪酸”という物質を産生します。こうした物質は、足の裏や群れた靴下の臭いなどと同じ酸っぱめな悪臭となります。老化による口臭はVSCだけではありません。細菌脂肪酸も原因となることが明らかになっており、このため高齢者では口臭が、より強くなる傾向があるのです。口臭の予防は、歯磨きをしっかりと行ない、口の中を清潔に保つこと、定期的に歯科医院で検診を受けて歯石除去や歯周病治療、義歯のケアを行なうこと、舌ブラシを使って舌苔を落とすことなどが重要です。要するに、日頃の手入れが大事、ということです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』監/長岡功 

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』
長岡 功 総監修/ 野村 義宏 監修

高齢化や平均寿命が伸びた社会では、「老化」は誰もが避けられない、しかし誰もが可能な限り抗いたいテーマ。その多くは人体の「老化現象」、またそれに伴う「諸症状」として、完全には克服できないまでも、原因やしくみを知ってうまく対応すれば、症状を「やわらげる」ことや、日常生活での「影響を少なくする」こと、また「目立たなくする」ことが可能である。本書では具体的に、老化にともなう病気・諸症状の原因に言及し、その対処・対策法を解説、紹介する。中高年以降の健康と美容の悩みを楽しく読めて、一気に解決する一冊です。

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