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1300万人以上いるともいわれる慢性腎臓病(CKD)とは?慢性腎臓病の原疾患でもっとも多いのは糖尿病性腎症【図解 腎臓の話】

Text:上月正博

腎臓が悪くなる病気をまとめた総称

腎臓の機能低下が長期的に続く病気を慢性腎臓病(CKD)といいます。日本腎臓学会の調査によると、その疾患数はなんと1300万人以上。高齢になるとほど罹患しやすく、70歳代では約3割、80歳以上では半数近くの人が慢性腎臓病と推算されています。

この慢性腎臓病はひとつの病気を表す名前ではなく、慢性的に腎臓が悪くなる病気をまとめた総称です。このなかには、糖尿病性腎症や糸球体腎炎、腎硬化症など、数々の病気が含まれます。それぞれ発症の流れや原因は異なりますが、進行すると腎臓の機能が低下して腎不全に至る点は同じで、わかりやすくするためにひとまとめにして慢性腎臓病と呼ばれるようになりました。

これにより、それまでは別々の病気として数えられていた患者が合算され、腎臓が慢性的に悪い人がじつは1300万人以上もいることが明らかになりました。これらの病気のなかでとくに多いのが、さきほど挙げた糖尿病性腎症、糸球体腎炎、腎硬化症の3つです。

日本透析医学会の調査によると、人工透析患者(2020年末時点)のうち約40%が糖尿病性腎症、約25%が糸球体腎炎、約12%が腎硬化症で、これらが全体の4分の3を占めています。つぎのページから、代表的な原疾患についてそれぞれ紹介していきます。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 腎臓の話』著/上月正博

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 腎臓の話』
著:上月 正博

血液をろ過する、尿をつくる、水分や塩分、ミネラル量などを一定に保つなど、数々の重要な役割のある臓器『腎臓』。普段はあまり意識することはないものの、人間の体の中で非常に大きな役割を果たしています。しかし、加齢をはじめ、生活習慣病などで悪くしてしまうと、人工透析が必要になってしまうなど、健康寿命に直結する臓器でもあります。本書ではそんな腎臓を長く健康に保つために、腎臓の名医による、腎機能を正常に保ち、いつまでも健康でいられるコツを紹介します。『そもそも腎臓の役割って?』という基本的な知識はもちろん、1300万人以上いるといわれる『慢性腎臓病(CKD)』の話、さらに自分や家族に使える『腎機能を高める食事法』、『透析中もできる『腎リハ』』などをイラスト、図解でわかりやすく解説します。人生100年時代を長く健康に生き抜くために誰でも参考になる一冊です。

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