生活習慣病やストレスで脳にゴミがたまっていく
加齢によってアミロイドβたんぱくが脳から排出されにくくなるほか、糖尿病や高血圧などの生活習慣病をもっていると、脳内にゴミが滞りやすくなることがわかっています。とくに血管に障害が起きる糖尿病は、以前から認知症との結びつきが指摘されていました。
睡眠不足も大敵です。というのもアミロイドβたんぱくは、睡眠中に分解されて脳から排出されるしくみ。ところが6~8時間の十分な睡眠がとれないと、この働きがうまく作用せず、脳内に老廃物がたまりやすくなるからです。
さらに、ストレスを受けることによって分泌される「コルチゾール」というホルモンが、タウたんぱくやアミロイドβたんぱくの蓄積を促進させることもわかっています。アルツハイマー病は、主に生活習慣や体調の乱れから生じるものです。規則正しい生活や健康へのケアが予防の第一歩になります。
「生活習慣」+「3大ストレス」がアルツハイマー型認知症を加速させる
「アミロイドβたんぱく」がたまりやすくなる
生活習慣病
糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病をもつ人は、アミロイドβを蓄積しやすいリスクを負っています。糖尿病の人は健康な人の1.9 倍ほど認知症になりやすく、喫煙や飲酒もその一因です。
睡眠不足
アミロイドβたんぱくは、脳の中に生じたゴミのようなもの。通常は睡眠中に分解されて脳から排出されますが、睡眠不足になると分解・排出の働きが不調となり、脳内にゴミがどんどんたまっていきます。
「タウたんぱく」「アミロイドβたんぱく」の両方がたまりやすくなる
ストレス
ストレスの3大要因は ①配偶者の死 ②人間関係 ③病気 です。ストレスを感じると、体はストレスから身を守るためコルチゾールというホルモンを分泌します。ところが長期にわたってストレスを受けるなど、コルチゾールが体内に増え続ける状況になるとタウたんぱく、アミロイドβたんぱくが脳にたまりやくなります。
脳の神経細胞が弱る
歯周病
歯周病のある人は認知症、アルツハイマー病になりやすいことが、数々の実験から科学的に証明されています。
視力・聴力の低下
視力や聴力が低下して脳への情報伝達が減ると、脳の神経細胞も衰えやすくなります。
【出典】『認知機能改善30秒スクワット』著:本山輝幸
【書誌情報】
『認知機能改善30秒スクワット』
著:本山輝幸
「約束の日時を間違える」「今言ったばかりなのに覚えていない」――。
そんな認知症の初期段階や軽度認知障害(MCI)なら健常者レベルまで脳機能は戻せる!
認知症予防・改善専門の運動療法士が教える、奇跡の30秒スクワット!
「日時がわからなくなる」「食べたものが思い出せない」「今言ったばかりのことを覚えていない…」――。
認知機能の低下に気づくきっかけはさまざまですが、「なんだか最近記憶力が悪いかも…」と自分で自覚している人はもちろん、高齢の家族と接していると、「前より少しおかしい……」と違和感を感じる人もいるのではないでしょうか。
それはもしかしたら認知症の初期段階、もしくは“認知症グレーゾーン”と呼ばれる『軽度認知障害(MCI)』という認知症の前段階かもしれません。
軽度認知障害は何もしなければそのまま“4年以内には50%、6年以内には80%が認知症になってしまう”と言われる状態ですが、その段階、もしくは認知症になっても初期段階であれば認知機能を健常者レベルまで戻せる方法があります。
それが、認知症改善専門の運動療法士である著者が教える、『認知機能改善30秒スクワット』です。
著者の20年以上の研究により、“体の感覚神経と脳機能には相関関係がある”ということが明らかになってきました。
感覚神経とは、痛い、熱い、寒い、などを体が知覚する神経のこと。
徘徊する中度以上の認知症患者は痛みをあまり感じないため、どこまでも歩いて行ってしまいますが、そのように『感覚神経』が鈍くなってしまっている人ほど認知機能が衰えてしまっているのです。
ただし、運動と言ってもウォーキングやジョギングなどの有酸素運動ではなく、『本山式感覚神経トレーニング』という筋力トレーニングです。
トレーニングと聞くとつらそうなイメージもありますが、30秒だけでもしっかり感覚神経に刺激が入り、認知機能の改善に繋がるように開発されたのがこのスクワットです。
太もも、おしり、ふくらはぎなど、重要な下半身の感覚神経を1つの運動で鍛えられ、時短なのに効果絶大な運動法により、認知機能の改善が期待できます。
日常生活に支障は出ていないものの、もの忘れや、今言ったことをすぐ忘れてしまうような症状がある人、その家族にはぜひ手に取って頂きたい一冊です。
公開日:2025.01.04