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自分の体質を知るだけで不調予防が変わる!気をつけた方が良い「気・血・水の乱れ」とは?【生薬と漢方薬の事典】

Text:田中耕一郎

体質と起こりやすい症状

「かぜをひきやすい」「おなかを壊しやすい」など、個々の体質によって起こしやすい不調があります。自分の体質がわかると、起きやすい症状や予防法を知ることができます。

体質は今の心身の状態をあらわし、ふたつ以上になることも

気・血・水のバランスをみることで、自分の今の体質を知ることができます。この本では、体質をわかりやすく8つに分類しました。まずは、それぞれの体質の特徴を知り、自分がどの体質にあてはまるかを調べてみましょう。

自分の体質を知っていると、体質をカバーする生活や食事を行うことで、症状の悪化を予防できます。

ただし、体質は今の自分の体の状態を示すもので、いつもひとつに決まっているものではありません。季節や生活習慣、食生活、年齢などによっても変わってきます。また、複数の体質にあてはまることもあります。自分にあらわれている体からのサインを、意識して気にかけておくことが大切です。

気・血・水のバランスで分けられる体質

気虚

気が不足している状態。体力や気力が落ちて、疲れやすくなり、食欲不振や消化吸収の機能が低下します。

気滞

気の巡りが滞っている状態。臓器間機能やのどのつかえ感、イライラや不安、抑うつ症状などがあらわれます。

血虚

血が不足して栄養不足の状態。顔色が悪く、目の疲れ、髪がパサつく、肌にツヤがなくカサカサし、筋肉のけいれん、月経周期が長くなるなどが起こります。

瘀血

本来は循環しているべき血が停滞することによって変質したものです。体の痛み、皮膚のトラブル、女性であれば月経不順や月経困難症の原因となるなど、多彩な症状を引き起こします。

水毒(水滞)

水が滞って巡りが悪い状態。水分の代謝が悪く、冷えやすくなります。体がむくみやすくなるのが特徴です。

陽虚

体を温める陽が不足している状態。倦怠感があり、寒がりで冬に弱く、体が冷えやすい傾向があります。冷えによる腰痛や関節痛、腹痛や下痢などの原因になることもあります。

陰虚

体にうるおいをもたらす陰が不足している状態。口・のどが渇くという乾燥と、のぼせ、ほてりなどの虚熱を生じます。

実熱

外因または内因によって、体に熱をもっている状態。暑がりで汗っかき、顔がほてって目が赤いなどの特徴があり、炎症症状や精神症状の原因となります。上記の陰虚による虚熱は除きます。

【出典】『生薬と漢方薬の事典』著:田中耕一郎

【書誌情報】
『生薬と漢方薬の辞典』
著:田中耕一郎/ 監修:奈良和彦・千葉浩輝

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専門家による「証」を基準とせず、体質で判断できるので、一般の方にもわかりやすい内容です。

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漢方を学ぶ人だけでなく、漢方薬局や漢方処方に興味のあるすべての方におすすめの一冊です。

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