うまく病気とつき合いおいしく食べる手段【70歳からおいしく栄養がとれる食事のくふう】
病気とつき合う手段のひとつが食事
年齢を重ねると持病のひとつやふたつが出てくるのはしかたがありません。その病気とどう向き合っていくか、そのための環境をどう整えていくのかということのひとつが食事になると思います。
例えば、糖尿病の人は、主治医の指導で、ある程度の食事の方針が出されているはずです。ただ、「糖尿病だからご飯は食べられない」「このおかずしか食べない」といった思い込みで、偏った食事をしてしまっているかたも多く見受けられます。ご飯は食べない、決まったものしか食べないということが低栄養につながっていきます。
食べられるもの、その量などをひとつひとつ確認していくと、くふう次第で、食事は楽しめます。「糖尿病はカロリー計算が大変」と家族が必死に計算をしながら献立を立て、調理するようなイメージを持っているかたも多いでしょう。しかし、今はコンビニで買えるおかずにも細かく栄養価が記載されているので、かんたんに摂取する栄養素の把握をすることができます。
このように、手間をかけずに栄養を把握し、おいしく食べる手段も整ってきました。主治医の診察を受けて食事が気になったら、「栄養士と話をしたい」と相談してみてください。病院の栄養相談室や連携を取っている栄養士を紹介してもらえることがあります。「このコンビニで売っているこの商品は食べられるかな?」そんな質問でも構いません。少しでも日常の食事をラクに、豊かにする方法を聞いてみてください。これは持病のある人だけに限りません。今後、病気にならないように食生活を考えたい人も、かかりつけ医に相談したり、自治体などが開催する栄養教室をのぞいてみたりすることをおすすめします。
【出典】『70歳からおいしく栄養がとれる食事のくふう』
監修:特定非営利活動法人 京都栄養士ネット 日本文芸社刊
監修者プロフィール
訪問栄養食事指導で地域の皆様の健康と栄養をサポートする管理栄養士のグループ。メンバーは京都府栄養士会の会員。2018年9月に認定栄養ケアステーションの認定を受け、京都府全域で訪問栄養指導を中心とした活動を行っている。2021年10月より機能強化型栄養ケアステーションに移行認定。在宅で療養されている方を訪問して、その方にあった食事の作り方やどの程度栄養量が摂れているか何を補えばよいかなどを、その方の嗜好や生活環境を大事にしながら、一人ひとりその人にあった形で提案し、実践してもらえる支援を目指し、多職種と連携し活動している。
70歳を過ぎ、「食が細くなった」「料理も面倒」「元気が出ない」と感じている方は、もしかしたら「低栄養」が原因かも?日々の食事は、健康な体をつくります。シニアになると体の変化に合わせて、必要な栄養もとりかたも変わってきます。この本では、訪問栄養指導の栄養士チームが「手軽」に「おいしく食べて」、「健康寿命をのばす」とっておきの食事のくふうを紹介します。品数が豊富じゃなくても、量が食べられなくても、料理が苦手でも、身近なものから栄養がとるコツがあります。・いつもの食事にちょい足しするだけ!手軽にたんぱく質が補える○○!・30品目用意しなくても、お皿は3つでいい・「食べ順」で栄養の取り逃しを防ぐ・やめられない菓子パンを○○に置き換えてみたら栄養がアップ!・全部手作りじゃなくていい!スーパーやコンビニで手に入るお助け食材ベテラン栄養士が現場で得た知見から生まれた、すぐに使える超実用的な栄養本です。1人暮らしでも、ご夫婦でも、親御さんの食事や栄養状態が気になるかたにも役立つ知識が満載です。3年先、5年先、10年先の健康な身体をつくる「栄養」がとれる食事をはじめましょう!
公開日:2024.05.10