ハリギリ ウコギ科
人気はないが天ぷらならタラノメよりも上?
タラノキやウド、コシアブラと同じウコギ科の落葉高木。タラノキ同様に木肌に鋭い棘が生えており、とくに若い株ではよく目立つ。森の中でこの木に手をつくとたいへんなことになる。この棘のためにしばしばタラノキと間違えて採取され、後に違うものとわかってがっかりされることも。棘がタラノキのそれよりも大きく立派なこと、芽そのものに棘がないことなどで判別は容易。ハリギリはタラノメと比べるとアクが強く、苦みがあるために利用価値が低いとされるが、天ぷらにするとこの個性が生かされる。大木になるためにタラノキよりも採取できる芽の数が多いのも魅力的。
● 採れる場所:里山
鋭く大きな棘と掌状の大きな葉
10m以上になる高木だが、そのような樹では芽に手が届かないので必然的に若木を狙うことになる。タラノキの若木は棘の大きさが大小不揃いなのに対し、ハリギリのそれはどの棘も大きくて太い。芽は細い葉柄が直線的に上に伸びるように成長し、葉が展開する。
【出典】『野草・山菜・きのこ図鑑』著:茸本 朗
【書誌情報】
『野草・山菜・きのこ図鑑』
著:茸本朗
本書は、野草好きのYouTuberである著者が「食べたい草」に焦点を当てた異色の山菜図鑑。学者ではない著者が、自分の実体験に基づき、美味しい野草だけを厳選して紹介しています。ありふれた山菜図鑑とは一線を画し、実際に採取しやすく、利用価値の高い草を紹介する実用書として完成。野草採取の初心者にとってもわかりやすい内容で、自然と触れ合い、食べる楽しさを伝える一冊です。
公開日:2024.10.18