なぜ関東は雪予報が外れる? 予報士泣かせの天気と乱層雲【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

いわゆる雨雲、長い時間しとしと雨を降らす

長時間しとしとと雨を降らせる「あまぐも」です。 低気圧や温暖前線などに伴って発生し、複数の都道府県を覆うほどの広がりをもちます。

乱層雲に覆われると昼間でも薄暗くなる

乱層雲は中層雲(2,000~7,000mに浮かぶ雲)に分類されているものの、下は500m、上は10,000mくらいの高さにまで達するとても分厚い雲です。 雲の下は昼間でも薄暗く、空は重苦しいねずみ色です。

雨が本降りのときは、乱層雲の下にさらに層雲がべったりと張りついて、より一層どんよりとした感じになります。

気温が低いときは雪を降らせる。

太平洋側に雪を降らせる南岸低気圧の乱層雲

乱層雲内には多数の雪の結晶があり、気温の高いと落下途中で融けて雨粒となって落ちてきます。 気温が低いときは、雪の結晶が融けないまま、雪として降ってきます。

関東などの太平洋側では、ふつう本州南岸を通過する低気圧(南岸低気圧)によって雪が降ります。 ただ、低気圧周辺は暖気と寒気の分布が複雑で、しかも落下途中の雪の結晶が融けるか融けないかの微妙な気温のところで降ってきます。そのため雨か雪かの予報が難しく、予報士泣かせの天気でもあります。

【出典】『最新の国際基準で見わける 雲の図鑑』著:岩槻秀明

【書誌情報】
『最新の国際基準で見わける 雲の図鑑』
著:岩槻秀明


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