“雨の暖簾”が空にかかる!「尾流雲」の見分け方とは!?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】


中層類 乱層雲【尾流雲】

尾流雲[びりゅううん] virga vir
別名[尾曳雲]遭遇チャンス:★★
雨のすじが地表に到達しない
乱層雲からの降水は、地上からも雨や雪としてしっかりと認識できます。しかし、降り始めや、やみ際の段階では、落下途中で蒸発する降水粒子も多く、それが尾流雲となります。
しかし、乱層雲の尾流雲はその大半が不鮮明で、くっきりと見えることはまれです。 条件がよければ、雲底がもやもやと低く垂れこめて、「雨の暖簾」のようになります。
雨粒が落下中に蒸発。雲底がぼやける
雨が降り始め、雲が低く垂れこめてきて、底の部分の輪郭がぼやけ、もやもやとしています。降り始めの段階では、まだ多くの雨粒が落下中に蒸発するからです。
【出典】『最新の国際基準で見わける 雲の図鑑』著:岩槻秀明
【書誌情報】
『最新の国際基準で見わける 雲の図鑑』
著:岩槻秀明
季節ごとに見られる雲やレアな雲、気象予報の役に立つ雲など、科学的な観点から見る雲に加え、雲海や霧など景色として楽しめる雲まで解説する雲図鑑です。
この記事のCategory
オススメ記事

巻雲で一番見るけど毎回違う表情を魅せる一期一会な雲「もつれ雲」とは?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

空に現れる“くろっちょ”の正体とは? 雨を知らせる「ちぎれ雲」の見分け方とは?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

空に広がる放射のアート「放射状雲」が見せる景色の正体とは?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

なぜ関東は雪予報が外れる? 予報士泣かせの天気と乱層雲【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

まるで毛糸編み? 空に広がる不思議な穴あき雲の正体【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

『あの雨、どこまで降ってる?』境界線が見えない降水雲の見え方とは【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

“雲に穴”の面白い現象、「穴あき雲」見たことある?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】
